『アメリカ体操連盟・性的虐待事件』元米国体操チームコーチのジョン・ゲダートが自殺

※画像はイメージです

元米国チーム体操コーチ、ジョン・ゲダートが自殺

アメリカ体操界史上最大の性的虐待事件に関わった元体操コーチ、ジョン・ゲダートが自殺した。

ゲダートは2011年世界選手権・2012年ロンドンオリンピックで体操のヘッドコーチを務め、五輪女子団体で金メダルを獲得したジョーディン・ウィーバー選手らを育てた。

ゲダートは性的暴行・人身売買・ゆすりなど20件以上の犯罪容疑で起訴された後、米現地2月25日にミシガン州クリントン郡の州間高速道路96号線の休憩所で、自殺遺体で発見されたという。

アメリカ体操連盟性的虐待事件

アメリカ体操連盟性的虐待事件として知られるこの事件は、1990年代後半から約20年、主に未成年女性選手の360人以上が性的暴行を受けたと告発した事件。

1990年台初め、アメリカ体操連盟は性的虐待などのコーチなどのブラックリストを作成したと言われる。少なくともその頃から蔓延し始めていたようだ。

この事件で最も重い罪を犯したのはラリー・ナサールという医師。1986年から体操代表チームのトレーナーとして従事しており、ゲダートとは1988年に体操クラブで一緒だった頃からの関係だったもよう。

ナサールは2018年1月にミシガン州インガム郡で懲役175年の刑を宣告され、その後イートン郡で40年~125年の懲役刑、さらに連邦刑務所で最低60年の刑を宣告された。実質終身刑に相当する。

ラリー・ナサール医師

ナサールは1996年にアメリカ体操連盟のチームドクターになり、2015年にその職を解かれている。理由は選手からの苦情だったという。

2016年9月にインディアナポリス・スター紙がナサールの性的暴行を報じたことが発端になり、150人以上がナサールからの性的暴行を告発したもよう。

申立てによると、ナサールは診療中に性的暴行をしていたと告発されたが、本人は医療行為だとして否定していた。

2017年2月にドキュメンタリー番組『60 Minutes』の中で、3名の元女子体操選手がナサールから性的暴行を受けたと主張、また恐怖から被害を口に出せなかったことも。その中の一人は当時まだ15才だったという。

結局ナサールは、少なくとも260名以上から性的虐待の申立てを受けている。

刑事告発された直後に自殺

自殺したゲダートは1996年にミシガン州で体操クラブを設立、そのクラブには奥の部屋があり、ナサールがそのクラブのチームドクターとして治療を行い性的虐待をしていたという。

警察の捜査に対してゲダートは、ナサールの犯罪について「何も知らない」と主張していたようだ。

ゲダートはナサールに協力していたと言われている。またナサールの被害者の何人かは、ゲダートからも性的暴行を受けたと主張しているもよう。

さらに被害者はゲダートのパワハラについて言及しており、中には過食症・食欲不振・摂食障害・自殺未遂・自傷行為・精神的虐待・性的暴行を含む身体的虐待などに苦しんでいる選手の証言もあるとのこと。

ゲダートは2月25日に刑事告発され、保安官事務所に同日14:15に出頭することに同意したが、時間になっても現れなかったという。その約1時間後に遺体で発見された。


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