殺害されたISIS容疑者、実は米国協力者だった?
さてアフガニスタンで罪もない民間人が、米軍の攻撃によって殺害されたかもしれません。
以前お伝えしたアフガニスタンのカブール国際空港付近で起きた自爆テロによって、13名の米軍兵士と100名を超える民間人の犠牲者が出ていましたが、その直後に、米軍はドローンによる報復攻撃でISIS-Kの関係者とみられる人物を殺害したと発表していました。
しかし最新の報道によると、このとき殺害されたISIS-Kのテロ容疑者は、実は米国に協力していた民間人だった可能性があると物議になってます。
US Kabul drone strike appears to have killed an Afghan who worked for a US aid group: report https://t.co/THrMnQVe4C
— Fox News (@FoxNews) September 11, 2021
NYTが検証、米国の説明と食い違い
この人物は、米軍を攻撃するための爆発物を運んでいるISIS-Kのテロリストだという疑いで、米軍のドローン攻撃によって殺害されました。
このとき10名が殺害されましたが、7人の子供が含まれていたと伝えられています。
しかしこの人物は、ただ水を運ぼうとしていただけの可能性があるとニューヨークタイムズが検証しました。(元記事は有料のため読めていませんが)
ニューヨークタイムズは証拠映像を入手したようです。またこの人物の友人や家族など数十人にインタビューを行ったところ、米国側の説明と食い違う部分が出てきたとのことです。
A Times investigation of video evidence, along with interviews with more than a dozen of the driver’s co-workers and family members in Kabul, raises serious doubts about the U.S. version of events. https://t.co/D9DLH8JJ3f
— New York Times World (@nytimesworld) September 10, 2021
水を運んでいただけ?
ニューヨークタイムズは、この人物は米国の支援団体に長年勤務していた43才のゼマリ・アフマディ氏である、と報じています。
一方、米国防総省の発表では、殺害された人物はISISの支援者で、彼の車には爆発物が積まれ、米軍に差し迫った脅威を与えていたと述べました。そして手順は正しく守られ、攻撃は正しかった、と主張しています。
しかし報道ではアフマディ氏はこの日、同僚を送迎していた証拠があるといい、ビデオ映像を解析した結果、彼が車に積み込んでいたのは水のタンクで、家族に持ち帰るためだった可能性があるとしています。
関係者によると、この時期アフマディ氏の自宅周辺が水不足で、そのために事務所から水を汲んで持ち帰ったと言っているようです。
家に到着し、子供が迎えに出てきたところにミサイルがドカーン!
関係者のインタビューや監視カメラ映像によると、この日アフマディ氏は水のタンクを車に積み込み、自宅に到着したとのことです。
アフマディ氏のトヨタカローラが駐車場に入ったとき、彼の子供達や親戚の子供達が彼を迎えるために車に近づいた瞬間、ドローンから発射されたヘルファイアミサイルが車に命中し、アフマディ氏や子供たちが犠牲になりました。
アフマディ氏の兄弟エマル氏によると、一瞬のうちに少なくとも子供7人を含む10人が殺された、と述べました。その中には結婚が予定されていた25才の甥や、5才以下の子供が5人もいたといいます。別の兄弟ラマル氏の3才と1才半の子供もいました。
米中央軍報道官のビル・アーバン海軍大尉によると、この攻撃による民間人の死傷者は出ていないと述べています。しかしその後この件を知り、調査中であるとしました。
アーバン大尉は、ドローン攻撃による二次的な爆発があったとし、この二次爆発によって追加の死傷者が出た可能性があると述べています。・・・あくまで直接的ではなかったと言いたいんですかね?
しかしウィリアム・テイラー少将によれば、ドローンによる攻撃はターゲットに「命中し、成功した」と述べています。
またアフマディ氏の家族によれば、このときの爆発は一回であり、それによって起こった火花が付近に止まっていたSUVの一部を燃やしただけ、と言っています。
彼らはアメリカ政府と一緒に働いていたんだ
アフマディ氏は電気技師で、栄養失調と戦うNGO団体「Nutrition and Education International(NEI)」に14年間勤務していたと報じられています。NEIは、米国に本部があるようです。
家族によれば、アフマディ氏がISIS-Kとつながりを持つ手段はないと言っており、むしろ過激派グループのターゲットとして見られていたと言います。ISISからすれば米国の協力者は敵対者だからでしょう。
彼が勤務していたNEIのスティーブン・クォン代表によると、アフマディ氏は「周囲の人々から尊敬され、愛されていた。とても親切で思いやりのある人物で、献身的だった」と述べました。
アフマディ氏の親戚モハマド・ファワド氏は
ジョー・バイデンにこのことを知ってもらいたい。
なぜこの人たちをダーイッシュ(ISISの蔑称)だと言って攻撃するんだ?
この子たちはみんな殉職だよ。
(写真を見せて)見てくれ、この子たちのどこがダーイッシュだと言うんだ?彼らはアメリカ政府と一緒に働いていたんだぞ。彼らがダーイッシュだと思うのか?
左派メディアでさえ・・・
彼らの棺が到着すると、人々の怒りが爆発したと言います。
一族の親戚ジャムシッド・メジュラビ氏は
アメリカはいつ何時でもイスラム教徒を殺している。
すべてのイスラム諸国が、アメリカ=犯罪国であるという意見で一致することを願っている。
と語ったと言います。
左派メディアのニューヨークタイムズがこれを検証したのが意義深いですね。米国はこの先どうなるか。
ではこの辺で失礼します。
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