Facebookの巨大な告発者
さて今アメリカで巨大なリークが出ています。
それは一人の女性の出現でした――フランシス・ホーゲン氏。
ホーゲン氏はFacebookの内部文書を、米証券取引委員会とウォール・ストリート・ジャーナルに開示したのです。
Whistleblower Frances Haugen came to the Senate with a message about Facebook and its leaders: Don't trust them https://t.co/XfPwLcHv5m
— POLITICO (@politico) October 5, 2021
さらにホーゲン氏は米現地10月5日に上院の小委員会に出席し、証言しています。
Facebookを信用しないでください。
-フランシス・ホーゲン
内部文書
以前ウォール・ストリート・ジャーナルに内部文書がリークされた件はここでも取り上げましたが、これらはホーゲン氏によるものだったようです。
これらの内部文書ではFacebookやインスタグラムが若い世代に有害な悪影響を与えていることをFacebook社自身が認識していながら、その対処をしていなかったことなどが明らかになりました。
また人身売買などに利用されていながらも、その対応をしなかったことでApp Storeから削除されそうになった事も発覚しています。
さらにティーンへの悪影響を知りながら、現在では子供向けインスタグラムを開発しているというのです。
子供達がインスタで言動や容姿をネタにイジメに遭っている姿を想像するとゾッとします。それで悩む子を持つ親や教師はどう対処すればいいのでしょう。
フランシス・ホーゲン氏
ホーゲン氏はハーバード大学を卒業後Googleに入社、MBA取得後にYelpやPinterestを経て2018年にFacebookに採用されています。
Facebookではシビック・インテグリティ・チームのプロダクト・マネージャーという立場で、選挙妨害や誤報を防止する担当だったようです。しかし従事している間に内部告発者になる事を決意し、2021年5月に数千ページに及ぶ内部文書を持ってFacebookを退社しました。
なおこの文書は、Facebookの社員なら誰でも自由にアクセスできるような資料だったとのことです。
そして2021年9月、ウォール・ストリート・ジャーナルがこの内部文書を報じたのです。
10月3日にはCBSのドキュメンタリー番組『60ミニッツ』に実名で出演、自ら告発者であることを明かしました。
昨日追記して取り上げたFacebookの株価下落はシステム障害による影響でもなく、個人情報漏洩によるものでもなく、この番組が放映された直後からだったようです。
つまりシビアに社会的信用を落としたということかと。Facebookは放映後24時間で60億ドルほど失いました。
シビック・インテグリティ・プログラム
Facebook内でホーゲン氏が担当していたシビック・インテグリティというプログラムは、選挙に対する誤報や安全性への脅威に対することを目的としたプログラムだったようで、2020年の大統領選挙後には解散されたようです。
しかしホーゲン氏はこのプログラムを「民主主義への裏切りのように感じられた」と述べています。
それは反トランプのスタッフたちが、フェイクニュース・誤報・偏向報道に取り組み、主導していたことに違和感があったといいます。
井戸は最初から毒されていたんです。
とはいえナショナルパルスによると、ホーゲン氏自身は民主党支持者であり、36回も民主党に寄付していることが確認されたとのこと。AOCのような急進左派を支持していたと報じています。
人間よりも巨大な利益を優先している
上院委員会でホーゲン氏は「責任はマーク(ザッカーバーグ)にある」と述べました。
Facebookの製品は子供達に危害を与え、分断を助長し、民主主義を弱めていると思います。
Facebookとインスタグラムをより安全にする方法を知っているのに、必要な変更をしないのは、人々よりも天文学的な利益を優先しているからです。
また「Facebook内部で何が起こっているか、外部の人はほとんど何も知らない。彼らは意図的に隠している」と述べました。
Facebookが「安全にするため全力を尽くしている」とか「ヘイトスピーチは全て削除している」などと発表していることを例に挙げ、「それらは事実ではありません。ヘイトスピーチの3~5%は取り上げています。」
セクション230を改正するべき
またホーゲン氏はセクション230(通信品位法230条)の改正を求めています。Facebookの危険性を抑制するのに最も効果的なのは、セクション230を改正することだと言っています。
セクション230は1996年に施行されたもので、投稿されたコンテンツに対してプラットフォーム側の法的責任を免責するものですが、当時とはネット環境も変わってきてそのあり方に疑問が出ています。
というよりセクション230を笠に着て、いいように利用しているビッグテック側に問題があると言えるかもしれません。このままだと、ビッグテックのやりたい放題になってしまう可能性があります。
2020年10月にニューヨークポストがハンター・バイデンのラップトップPCにあったとされるウクライナとの取引を暗示させるメールを報じました。ビッグテックはすぐに反応し、民主党にとって都合の悪い記事へのリンクを含んだ投稿を削除あるいはBANしたのです。
自分たちだけの物差しで言論を検閲して「これはOK」「これはダメ」と勝手に決めているのですから、これではプラットフォームと言えるのかどうか。
他メッセージアプリが台頭か
日本ではFacebookは比較的下火になりつつあるのでそれほど大きなインパクトはないかもしれないですが、Facebookはなんと言っても全世界で10億超えとも言われるユーザー数を誇る巨大SNSなのです。
今回の告発でFacebook社の株価が下落したのはすでに書きましたが、一方で10月4日の一日でテレグラム(Telegram)が7,000万人の新規ユーザーを獲得したと報じられています。
Telegram says it added 70 million users during Facebook outage https://t.co/YBZw4Haai2
— CNET News (@CNETNews) October 5, 2021
また同じく4日にSignalも何百万人もの新規ユーザーが増えたと報告されています。
ホーゲン氏は次にイギリス議会で証言する予定と言われていますので、この問題がどのように広がっていくか注目したいです。
まあ私は以前からリークの時代だと書いてきましたし、Facebookやザッカーバーグについても書いてきました。私がしつこく取り上げるとなぜだか・・・
ではこの辺で失礼します。
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