ギレーヌ・マックスウェル裁判の再審請求が却下、陪審員が虚偽の回答をしていた問題――控訴の可能性?

Ghislaine Maxwell, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

マックスウェル裁判の再審請求が却下

ギレーヌ・マックスウェル氏の再審請求はけっきょく却下されました。

マックスウェル氏は性犯罪者ジェフリー・エプスタインと共謀したとして、未成年性的人身売買など5つの罪で2021年12月29日に有罪評決を受けていました。

その後、陪審員の一人だったスコッティ・デイヴィッドと名乗る人物がインディペンデント、デイリーメール、ロイターなどのメディアのインタビューで、自身の性的虐待の経験を他の陪審員に話し、それが有罪評決へつながるのに役立ったと述べました。

デイヴィッド氏は「この評決は全ての被害者のためのものだ。」「マックスウェルが責任を取らされたことをうれしく思う。」などと言っていました。

このインタビューが物議になり、マックスウェル弁護団は裁判のやり直しを要求していました。

しかし4月1日にアリソン・ネイサン判事は、この陪審員が「公正かつ公平な陪審員としての役割を果たすことが出来た」として、再審請求を却下しました。

弁護団「公正な裁判を受けられなかった」

マックスウェル弁護団は、陪審員を選定する際にデイヴィッド氏が性的虐待経験の有無を正直に申告していなかったため、「公正な裁判を受けられなかった」として再審を請求していました。

実際に陪審員選考のアンケートで、陪審員50番は性的虐待経験の有無について「No」にチェックをしていました。陪審員50番はデイヴィッド氏のことです。

弁護団はデイヴィッド氏が正直に「Yes」と答えていれば、陪審員選考から外すことになったと主張していました。

裁判官「故意ではなかった」

デイヴィッド氏はアンケートの内容はよく覚えていないとしながらも「すべての質問に正直に答えていたはずだ」と述べていました。

しかし3月8日に行われた公聴会で「うっかりミスだった」とし、「人生の最大の過ちの一つだった」と証言しました。

ネイサン判事は「陪審員選考の過程で、彼が過去の性的虐待を開示しなかったことは非常に不穏当なことであったが、故意ではなかった」としています。

「彼の口調、態度、受け答えからして、虚偽の証言をした形跡はない。故に裁判所は、アンケートを記入する際に気が散って”ざっと読み”をしてしまい、いくつかの質問を誤解してしまったという彼の証言を信用する」

「彼は被害者でもなければ、実際の犯罪に加担していたわけでもない。また当事者や事件関係者と関係があるわけでもない」

そして「当法廷は、陪審員50番がアンケートに正確に回答していたとしても,(陪審員選考を)取り消すことはなかっただろう」と付け加えています。

裏話

この判定が下る前、マックスウェル弁護団のボビー・スターンハイム弁護士は、判定を延期するよう求めていたようです。

というのもパラマウント・プラスが、ドキュメンタリーでマックスウェル裁判の陪審員のインタビューを放映する予定になっていたとのこと。そこで陪審員50番が爆弾発言をすると予告されていた、としています。このインタビューで新たな情報が得られる可能性があると思っていたかもしれません。

しかし検察側は、この延期要請に異議を唱えていました。「憶測だけでこの判定を延期するのは不適切です」

控訴の可能性が高い

マックスウェル氏の量刑判決は、6月28日に予定されています。最大で65年の禁固刑が下される可能性があると言われています。

このままこれで有罪が確定する可能性はあるのでしょうか。

弁護団が新たな動き(控訴)をする可能性が高いと言われていますが。