ツイッター社、イーロン・マスクの買収案を再検討――1度は拒否したものの資金調達が確保されたことを受けて

ツイッターがイーロン・マスクに株式売却を再検討

米証券取引委員会に提出された書類によって、イーロン・マスク氏がツイッター社を買収するために465億ドルの資金を調達した事が判明しました。

これにより、ツイッター社の経営陣は米現地4月24日(日)に会合を開いて、株式の売却を再検討することになったと報じられています。

当初ツイッター社は買収防止策として「ポイズン・ピル」の導入を決めましたが、ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者の話として、同社がマスク氏の提案を再議論していると伝えています。

なおこの会合にマスク氏が出席したかは不明ですが、提示額の54.20ドルについて譲歩しない事をあらためて表明したと言われています。

ただこの会合の後にも解決すべき問題が残っているといい、ツイッター社が受け入れるかどうかはまだわかりません。

展開の早さ

【これまでの経緯】

  • 3月14日:マスク氏がツイッター社の約7,350万株を取得、筆頭株主に(9.2%)
  • 4月4日:↑が報じられ、ツイッター社の株価が25%以上急騰
  • 4月5日:ツイッター社はマスク氏を取締役に起用すると発表、保有率14.9%を超えないことが条件
  • 4月10日:マスク氏が取締役就任を辞退
  • 4月13日:マスク氏が総額430億ドル(1株あたり54.20ドル)でツイッター社の全株を購入すると提案
  • 4月15日:ツイッター社がマスク氏の提案を拒否、買収防止策としてポイズン・ピルを発表
  • 4月18日:ジャック・ドーシー前CEOがツイッター取締役会を非難
  • 4月21日:マスク氏がプランBとしてツイッター社の公開買付を検討している事が判明
  • 4月21日:マスク氏が465億ドルの資金調達方法を証券取引委員会に提出
  • 4月24日:↑を受けてツイッター社が会合を開いて再検討
有能な経営者にありがちですが、ともかく決断と行動が早い。

マスク氏が調達した資金465億ドルの内訳ですが、250億ドル以上が優良投資銀行から借入で、残り210億ドルがマスク氏が所有する株式(テスラ含む)を売却することによって賄うとされています。

この資金調達の迅速さと、ここ数日の米株式市場の暴落によって、ツイッター社がマスク氏の提案を再検討する要因になったといわれています。

いずれにしてもマスク氏がツイッターの買収を提案してから10日ほどで事態が急展開を見せています。

提示額は超えられない?

マスク氏は、ツイッター社が自力の経営で提示価格を超えることは出来ないと考えているもよう。

ちなみにツイッター社の株価は先週末の時点で48.93ドルを示していますが、これはマスク氏が465億ドルの資金を調達したことが影響しているとみられ、市場の期待が高まっていることを示しています。

もしマスク氏が買収を断念し、株を手放したとしたら株価が下落するのは必至かと思われます。そうなったら経営陣の責任が問われるかもしれません。

マスク氏が手を引いたとして、ツイッター社が株価を提示額の54.20ドルまで上げられるかは厳しいのでは。というのも2021年11月に前CEOのジャック・ドーシー氏が退任以後、ツイッター社の株価は下がりっぱなしでした。

言論の自由を取り戻す事が目的

マスク氏はツイッターの広告依存度を下げたいと言っているほか、現在280文字(日本語は140文字)に制限されている投稿を、より長い文を許可するなどの変更を示唆しています。

しかし最も重要な目的は、プラットフォームにおける言論の自由を取り戻すことであり、そのためにはお金は関係ないと述べています。

これまでツイッターをはじめとするビッグテックは、大統領選挙やらコロナやらワクチンやらハンター・バイデンのラップトップやら、何かにつけてユーザーの発言を検閲し、左派の意向に合わないものを制限してきました。


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