生体情報を無断取得でテキサス州が提訴
Googleへの風当たりが強くなってます。
テキサス州のケン・パクストン州司法長官は、生体情報を無断で取得・使用したとしてGoogleを提訴したと現地10月20日に発表しました。
それによるとGoogleは少なくとも2015年から、本人の同意を得ずに、Googleフォト、Googleアシスタント、Nestなどを通じてユーザーの顔や音声などの情報を収集し、保存したと主張しています。さらにGoogleはその情報を人工知能アルゴリズムの開発のために利用し、利益を得ようとしているとも。
訴状では、Google Nest Hub Maxのフェイスマッチという機能を使うと、カメラに写った顔を無差別にキャプチャーするが、その中にはキャプチャーを許可していないユーザーや、そもそもGoogleがそういうことをやっていることさえ知らないユーザーもキャプチャーされてしまうと主張しています。
またGoogleアシスタントでは、検出できるすべての声について声紋の記録と保存を開始するとも主張しました。
パクストン州司法長官は今年初め、Meta社(旧Facebook)に対して同様の訴訟を起こしており、今回も「Googleによるテキサス州民の個人情報の無差別収集は、生体認証のような非常に繊細な情報を含めて、決して許されることではない。私は、すべての州民のプライバシーとセキュリティを確保するために、ビッグテックと戦い続ける」と声明しています。
一方Google広報担当は「当社の製品を誤って表現している」とし、「Googleフォトは似たような顔をグループ化することで写真を整理するのに役立つし、この機能は簡単にオフにできる。同じようにNest Hub Maxのボイスマッチとフェイスマッチも、デフォルトでオフになっている」と反論しています。
Texas AG sues Google for over facial and voice data collection https://t.co/7mINeEzL1u
— CNBC (@CNBC) October 20, 2022
シークレット機能が全然シークレットじゃなかった
またGoogleのブラウザ「Chrome」が、シークレットモード機能が全然シークレットじゃない、と社内メールで明らかになっています。
これは裁判で開示されたもので、Googleマーケティング責任者ロレイン・トゥヒル氏がサンダー・ピチャイCEOに送ったメールの中で、Chromeブラウザのシークレットウィンドウモード「Incognito」について「Incognitoモードを本当にプライベートにしてくれ」とお願いしています。
トゥヒル氏はメールの中で、「Incognitoは真のプライベートではないので、私たちが強くマーケティングできるかに限界がある。そのため曖昧で言葉を濁す必要があり、大分損をしている」と書いています。
この訴訟は複数のユーザーが、Googleが「Incognito機能」を使用したユーザーを追跡してプライバシーを侵害しているという疑いで、数十億ドルの集団訴訟を起こした裁判です。
Google employees joke about how 'Incognito Mode' is 'not truly private' https://t.co/o23eQdFqis pic.twitter.com/9aCEOCRMtH
— New York Post (@nypost) October 18, 2022
共和党のメールを勝手に迷惑メールに振り分けていた疑惑
そんな中でGoogleは、共和党のメールを検閲したとして提訴されました。なんと大事なメールを勝手に迷惑メールフォルダに振り分けていたという。
共和党全国委員会(RNC)が現地10月21日に提出した訴状の中で、Googleが資金調達や投票促進活動などのために共和党内でやり取りされた数百万通に及ぶメールを「迷惑メールフォルダ」に振り分けており、選挙前の重要な時期に損害を与えたと主張しています。
それによるとGoogleは、共和党の寄付活動が最も盛んになる月末近くになると、ほぼすべてのメールをスパム認定して迷惑メールフォルダに振り分けており、これによってRNCの収益を圧迫し、中間選挙が迫っている時期に特に問題になっていると主張しています。
これ事実だとしたら、なかなかの検閲ですが。
“This harm is irreparable and must be stopped.”#Google—which has been under fire for allegations that its algorithms unfairly target conservative content—has been sued by the #RNC for allegedly routing its political campaign emails to spam. https://t.co/GaHaSHcIb8
— The Epoch Times (@EpochTimes) October 22, 2022
約70%のメールが迷惑メールになっていたと主張
共和党が今年初めに提出した「アルゴリズム選別における政治的偏向メール法」法案の中で、Googleのアルゴリズムによる迷惑メール振り分けは、民主党がわずか8%なのに対し、共和党は70%近くのメールを迷惑メールとしているとの調査結果を出しています。
RNCのロナ・マクダニエル委員長は「もう十分だ。共和党に対するあからさまな偏見によりGoogleを提訴する」とし、
「10ヶ月連続で、Googleは月末の重要な共和党の投票推進運動と資金調達のEメールを、何の説明もなくスパムに送信している。我々は、この明らかな偏見のパターンに終止符を打つことを約束する」
一方Googleの広報担当は「我々は単に政治的所属に基づいてメールをフィルターすることはない」とコメントしているという。
Googleは企業理念を捨てた
もはや共和党のような政党がGmailを重要な連絡に使うのは注意ってことですかね。
Googleは創業以来、「Don’t be evil.(邪悪になるな)」「邪悪にならなくてもお金は稼げる」という企業理念を掲げていました。
しかし、2005年くらいにこの理念を捨ててしまったと複数のメディアが報じており、徐々に変わってしまったかもしれません。
まあ山羊座時代が終わりに近づくにつれて、こうした問題が出てくるのは必然ですが。
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