4月15日からトランプ氏の世紀の裁判がスタート
週明けの現地4月15日よりドナルド・トランプ氏の刑事裁判が始まります。どうせまたメディアが騒ぐと思うのでおさらいしておきます。
これはトランプ氏がポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏との不倫疑惑をめぐって支払った13万ドルの口止め料をめぐる刑事裁判です。
トランプ氏は2023年3月30日にニューヨークのマンハッタン地区検事局のアルビン・ブラッグ検事から、34件の訴因で起訴されました。
この裁判は、現在トランプ氏が訴えられている4件の刑事起訴の中で一番最初に行われるものであり、また元合衆国大統領の刑事裁判としては史上初となるもので、注目を浴びることは必至です。
ただ裁判は、住民がほぼ民主党支持者で占められるニューヨークで行われること、そのニューヨークは「ハムサンドでさえ有罪にできる」と言われるほど政治的偏向の強い街で知られていることなどから、最初から「茶番」との評判が高い。
元司法長官代行を務めたマシュー・ウィテカー氏は、「(ニューヨークの)陪審員団は、とても公正で公平なものになるとは思えない」と述べています。
"I just don't think that [New York] jury pool is going to be very fair and impartial like [former President Donald Trump is] entitled to under the Constitution."
— Matthew Whitaker, former acting attorney general@MattWhitaker46 @RitaCosby pic.twitter.com/tQsTvZmQ1c
— NEWSMAX (@NEWSMAX) April 13, 2024
何があったのか
ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)氏はトランプ氏と性的関係を持ったと主張し、それについて沈黙することと引き換えに、2016年の選挙前にトランプ氏の元弁護士マイケル・コーエン氏から13万ドルの口止め料を受け取ったと主張しています。
トランプ氏は2018年にこの疑惑が浮上して以来、ダニエルズ氏との性的関係を否定してきました。
口止め料の支払いは違法ではなく、この起訴はコーエン氏への報酬がトランプ氏の口座にどのように記録されているかに着目しています。トランプ氏は業務記録を改ざんした罪に問われている。
内訳は、コーエン氏への小切手に関するもの11件、コーエン氏がトランプ氏の会社に提出した月次請求書に関するもの11件、トランプ氏の信託の総勘定元帳の記載に関するものが12件です。
トランプ氏はコーエン氏に2017年の法的サービス料として支払いを行っていたと主張しましたが、検察はコーエン氏に口止め料を支払うようトランプ氏が指示したと主張しています。
また元プレイボーイのモデルのカレン・マクドゥーガル氏にも15万ドルの口止め料を渡したと主張している。
タイムライン
2006年7月
ストーミー・ダニエルズ氏は27歳のとき、ネバダ州レイクタホで開催されたゴルフトーナメントでトランプ氏と初めて会った。
ダニエルズ氏によると夕食に招待され、ホテルの部屋に会いに行ったという。そこで性的関係を持ったと主張。
2011年5月
ダニエルズ氏は『In Touch』のインタビューで、トランプ氏との初対面や性交渉の疑惑について詳しく語る。
しかし、トランプの弁護士が訴えると脅したと報じられ、このインタビューはお蔵入りに。後に2018年に掲載。
2015年6月
トランプ氏が共和党大統領選への出馬を表明。
2016年6月
元プレイボーイのモデルのカレン・マクドゥーガル氏が、トランプ氏との不倫疑惑を売り込もうと申し出る。
マクドゥーガル氏は2006年から2007年にかけてトランプ氏と何十回も性的関係を持ったと主張。
2016年7月
共和党全国大会でトランプ氏が正式に共和党大統領候補となる。
2016年8月
『ナショナル・エンクワイアラー』がマクドゥーガル氏の独占取材権を15万ドルで獲得。
しかし検察によれば、彼女の不倫の主張が公表されることはなく、”キャッチ・アンド・キル”と呼ばれる方法で抑圧されたという。
(※キャッチ・アンド・キル=出版社が不利な情報の独占権を買うと称し、その記事が出版されるのを阻止すること)
2016年9月
マイケル・コーエン氏がマクドゥーガル氏と口止め料15万ドルを支払うことで合意するが、最終決定には至らなかった。
2016年10月
検察によると、マイケル・コーエン氏はストーミー・ダニエルズ氏への口止め料として、ペーパーカンパニーを通じて彼女の弁護士に13万ドルを支払ったという。
2016年11月8日
ドナルド・トランプ氏が第45代大統領に当選。
2017年1月
コーエン氏が支払った13万ドルの払い戻し方法について取り決めがなされた。
トランプ・オーガニゼーションは彼に1年間で42万ドルを支払う(月35,000×12ヶ月)ことを決定した。
2017年1月20日
トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任。
2018年1月
ウォール・ストリート・ジャーナルが、マイケル・コーエン氏が2016年にストーミー・ダニエルズ氏に支払った口止め料に関するニュースを報じる。
トンラプ氏はこの報道を否定。
2018年3月
ダニエルズ氏が秘密保持契約の破棄を求めてトランプとコンサルタントを提訴。
ダニエルズ氏はコーエン氏から13万ドルを支払われて口止めされ、脅迫されたと主張。
2018年4月
トランプ氏が初めて公の場で13万ドルが支払われたことは「知らなかった」と述べる。
FBIがコーエン氏の自宅と事務所を家宅捜索。
ダニエルズ氏はトランプ氏から「詐欺師」と言われたとして名誉毀損で提訴。
2018年5月
トランプ氏はコーエン氏に13万ドルを返済したと言い、選挙資金からではなく毎月の報酬で行われたと説明。
2018年8月
コーエン氏がダニエルズ氏とマクドゥーガル氏への支払いをめぐる選挙資金違反を含む8つの連邦罪を認める。
コーエン氏はトランプ氏から金を支払うよう指示されたと主張し、マンハッタン検事局が捜査を開始。
2018年10月
ダニエルズ氏の名誉毀損訴訟が棄却。
2018年12月
コーエン氏が3年の禁固刑を受ける。
2019年8月
マンハッタン検事局が、トランプ・オーガニゼーションからコーエンへの支払い記録と大統領の納税記録を入手するために召喚状を発行。
2021年2月
捜査当局はトランプの納税申告書を入手。
2021年11月
アルビン・ブラッグ氏がマンハッタンの地方検事に就任。
コーエン氏が釈放。
2023年1月
ブラッグ検事が口止め料事件を復活させる。コーエン氏と面会し、大陪審を招集。
2023年3月30日
マンハッタン大陪審がドナルド・トランプ氏を起訴。
2023年4月4日
トランプ氏がニューヨーク州裁判所に出頭し、34件の業務記録改ざんに対して無罪を主張。
2024年3月25日
フアン・メルシャン判事が、4月15日に陪審員選考を開始すると決定。
検事はジョージ・ソロスから資金援助
起訴したアルビン・ブラッグ検事は、左翼の億万長者ジョージ・ソロス氏から資金援助を受けています。
詳しく言えば、ソロス氏は2021年5月に「カラー・オブ・チェンジ」という左翼の人種活動団体に100万ドルを提供し、同じ月にカラー・オブ・チェンジはブラッグ氏を支持し、彼の選挙キャンペーンに100万ドル以上を支援することを約束しました。
またソロス氏の息子ジョナサン・ソロス氏と、その妻ジェニファー・アラン・ソロス氏からも2021年4月に合わせて約2万ドルの献金を受けていると報じられている。
https://www.politifact.com/article/2023/mar/23/trumps-attacks-on-manhattan-da-alvin-braggs-backin/
裁判長も民主党との癒着が発覚
またこの裁判の担当であるフアン・メルシャン判事は、ジョー・バイデン大統領の2020年選挙キャンペーンを含む民主党に献金しています。
さらにメルシャン判事の娘ローレン・メルシャン氏は、カマラ・ハリス副大統領の2020年大統領選挙キャンペーンでデジタル説得ディレクターとして働いていた経歴を持っています。
その後ローレン・メルシャン氏は、民主党を宣伝するコンサルティング会社「オーセンティック・キャンペーン」を経営しています。この会社はアダム・シフ下院議員(民主党)や上院多数派PACなど、著名な民主党の顧客を持っているという。
Dem clients of daughter of NY judge in Trump hush money trial raised $93M off the case https://t.co/T2haxQDCSk pic.twitter.com/y2z1ei5KYc
— New York Post (@nypost) March 30, 2024
トランプ氏はそんなバックボーンを持つメルシャン判事の解任申し立てをしましたが、却下されました。
https://slaynews.com/news/biden-donor-judge-refuses-recuse-himself-trump-hush-money-case-daugther-democrats/
陪審員選定も不利
さらに上に書いたように、ニューヨークは大多数が民主党支持者の街なので、公平な陪審員が集まるとは考えにくい。
陪審選任は4月15日から始まり、少なくとも数日間の集中尋問が行われることになるという。陪審員候補者は42の質問を受けるとのことです。
その質問項目には、以下のようなものがあります(抜粋)。
- 組織や支援団体に参加しているか
- どのようなメディア、SNS、Webサイトを見るか
- 政治的、道徳的、知的、宗教的な信条
- トランプ関連の会社で働いたことがあるか
- トランプ政治団体で働いたりボランティアをしたことがあるか
- トランプの集会や選挙イベントに参加したことがあるか
- トランプまたはトランプ・オーガニゼーションのニュースレターに登録しているか
- トランプをSNSでフォローしているか
- 反トランプのニュースレターに登録しているか
- 反トランプのグループをSNSでフォローしているか
- QAnon、プラウドボーイズ、Antifaなどに所属していたことがあるか
トランプ弁護団は、陪審員の選定を”公正な方法”で進めることは不可能であり、裁判は別の場所で行なうべきだとし、同じニューヨーク州内のスタテン島で審理するべきだと主張しましたが、却下されています。
唯一、大統領選挙前に終わる裁判
そんなわけでこの裁判は相変わらずトランプ氏にとって、最初から不利な条件が揃いまくってます。
「ハムサンドでさえ有罪にできる」と言われているニューヨークの裁判だけに、なかなか厳しいものになるのは間違いなさそう。
この裁判は現在トランプ氏が直面している4つの起訴のうち、唯一大統領選挙の前に終わる裁判だと言われているだけに、非常に重要です。
民主党バイデン政権はなんとしてでも選挙前にトランプ氏を有罪にしたいわけですから、この裁判が唯一の望みである可能性がある。
そんな中でもし有罪判決を受けた場合、左派メディアは喜々として大々的に報じるでしょうし、それによって投票に影響が出る可能性があります。
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