ジェームズ・バイデン、カタール政府高官と取引か
2024年大統領選挙に「緑の党」から出馬しているジル・スタイン氏が反イスラエルのデモ中にワシントン大学の構内で逮捕されたもよう。スタイン氏は暴行罪で起訴されたという。
さてバイデンファミリーの海外汚職に新たな証言が出ました。
バイデン大統領の弟ジェームズ・バイデン(ジム・バイデン)氏がカタール政府高官と手を結び、資金調達を模索していたという。
これはケンタッキー州の破産裁判の中で、ジェームズ氏とパートナーだったファンドマネージャーのマイケル・ルーイット氏から証言されたものです。
もしこの疑惑が立証されれば、バイデン大統領ファミリーと外国政府との密接な金銭的つながりがあったことを示すものになります。
以前当ブログで書いたように、ジェームズ・バイデン氏は医療関連会社「アメリコア」と関わり、兄ジョー・バイデンのネームバリューを利用してあちこちから資金を引っ張り出そうと画策していました。
その中に中東カタールの名前があった。
けっきょく資金調達はうまくいかず、アメリコアは2018年に破産申請をしましたが、その内容には不透明なものがあり、証券取引委員会(SEC)は詐欺事件として調査しているという。
「バイデン」ブランドを利用してアピール
2017年6月に、カタールがテログループを支援している疑いがあるとして、一部のイスラム諸国(サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプト、イエメン、モルディブ、モーリタニアなど)がカタールとの国交を断絶しました。(2017年カタール外交危機)
これによりカタールは持続的な危機に陥ったという。
これを受けてカタールの高官たちは焦り、コネのある欧米人たちに贈り物や経済的利益をばらまき始めたようです。
この頃ジェームズ・バイデン氏は医療事業に乗り出し、経営難に陥った病院チェーン「アメリコア」と緊密に連携していた。
彼はフロリダの実業家、アメール・ルストム氏(事業開発会社プラチナム・グループCEO)やファンドマネージャーのマイケル・ルーイット氏と組んで、中東の政府高官とのつながりを自慢していたという。
アメリコアの元幹部によると、この3人は共同で、アメリコアやその他のベンチャー企業のために、中東のさまざまな筋から投資資金を募ったとのこと。
Politicoが入手した文書によると、ジェームズ氏は兄ジョー・バイデンとのつながりを利用し、「国際的な資金移動に関する制限を回避する方法を模索」していたという。
カタールの政府系ファンドであるカタール投資庁の関係者に宛てたジェームズ氏の手紙の草案には、
「私のファミリーは、閣下の関心に値すると思われる、最高レベルでの豊富な紹介やビジネスチャンスを提供することができるでしょう」「バイデンファミリーを代表して、私はあなたの関心を歓迎します」
などと、思いっきり「バイデンブランド」を全面的にアピールしています。これはバイデンの名前を利用していることに他ならない。
Court testimony indicates Jim Biden was in business with ‘members of the Qatari government’ https://t.co/5ROkIXJFNx
— POLITICO (@politico) April 28, 2024
https://www.politico.com/news/2024/04/28/jim-biden-qatar-testimony-00154704
海外送金方法で暗礁に乗り上げる
2018年3月10日、ジェームズ氏の妻サラ・バイデン氏からプラチナム・グループ幹部のジュリー・ランダー氏に送信されたプレゼンテーションの草稿で、アメリコアはジェームズ氏を「ジョー・バイデン元副大統領の弟で選挙資金委員長」と宣伝しているという。
その1ヵ月後、ランダー氏は資金集めについてジェームズ氏にメールを送り、カタールの高官との会合について言及しています。
「大臣との会談の続報です。あなたのアプローチは完璧でした。彼はアメリコアについてより多くの情報を要求しています。」と、バイデンの名前を使った事が功を奏したことを伝えています。
さらにこれまで報じられなかったメールの中で、ランダー氏は2億ドル要求の可能性を示唆し、ジェームズ氏に投資取引によるカタールへの潜在的利益についてより多くの情報を提供するよう求めたという。
しかし、こうしたランダー氏のポジティブなメールとは裏腹に、実際には資金調達活動は次々と暗礁に乗り上げていたようです。
というのもアメリコアの元幹部によると、問題のいくつかは国境を越えて投資資金を移動させる際の法的制限に関連していたという。この元幹部の記憶によると、「金の延べ棒」で資金を移動させるアイデアなどが話し合われていたとか。
銀行送金などでは一発で怪しまれることになる。
この資金移動の問題を解決するため、ジェームズ氏は決済処理会社「ビラーフィ」との提携を模索したという。ビラーフィは暗号通貨などの支払いを処理している会社だった。
しかしこのアイデアは、アメリコアの弁護士クリストファー・アンダーソン氏に却下されたという。
ジェームズのカタール訪問疑惑
2018年5月中旬、イスラム教のラマダン(断食月)によりカタールとの事業話が停滞すると、資金調達も滞り、ジェームズ氏やアメリコア関係者の間で緊張が高まった。
ジェームズ氏は5月17日にアメリコアのグラント・ホワイトCEOに宛てたメールの中で、2人の確執について不満を漏らし、資金を確保するために「私はカタール、サウジアラビア、中国に(自費で)行くことに同意した」と書いている。つまり直接会いにいくというのです。
6月下旬にルーウィット氏はジェームズ氏とホワイトCEOに宛てたメールの中で、「アメール(ルストム)は、ドーハでの財務大臣へのプレゼンテーションに私も参加することを希望している。」と書いており、カタール財務大臣との直接会談が予定されていたことを示唆しています。
これについてアメリコア元幹部によると、ジェームズ氏とルーウィット氏はこの年カタールを訪れたが、カタールのアリ・シェリフ・アル・エマディ財務大臣(当時)との会談が行われたかどうかは不明だという。
ところがカタールの司法長官が、汚職の疑いでアル・エマディ財務相の逮捕を命じたため、2021年5月に解任されています。
その後アル・エマディ氏は50億ドル以上のマネーロンダリングを含む罪で有罪判決を受け、20年の禁固刑を言い渡されました。
これについてジェームズ氏の代理人もカタール大使館も、ジェームズ氏のカタール訪問疑惑やアル・エマディとの面会計画についての質問には答えなかったという。
バイデンとルーイットのつながりは深まっていった
別のテネシー州の裁判文書によれば、ジェームズ氏はカタール投資庁からの資金を確保するために、ルーイット氏やルストム氏と協力し続けたという。
共にビジネスを追求し続けるうちに、ジェームズ氏とルーイット氏の金銭的なつながりは深まっていき、2019年にジェームズ氏の会社「ライオン・ホール・グループ」は、ルーイット氏の投資ファンド「サード・フライデー」から22万5000ドルを受け取っている。
ジェームズ氏は議会でこの支払いはローンであり、後に免除されたと証言したが、ルーイット氏はローンを免除したことに異議を唱えた。
またジェームズ氏は2019年に、フロリダ州で新会社「プラチナム・グローバル・パートナーズLLC」を登記しており、その経営者にはジェームズ・バイデン、サラ・バイデン、ルーイット、ルストム、そしてルーイットの弟アッザム・ルストムが名を連ねていた。
この会社の目的は「カタールからの投資の獲得」だったという。
しかし、結局このベンチャー会社は頓挫しました。
法的論争の的に
こうしたカタールに焦点を当てたジェームズ氏とそのパートナーの資金調達活動は、法的論争の対象となっていきました。
2022年、サード・フライデーの投資家たちは、アメリコアを通じたジェームズ氏らへの横領を告発し、ルーイット氏を訴えました。しかしこの訴訟でジェームズ氏は被告に入っていません。ルーイット氏は不正行為を否定しており、訴訟は現在も継続中だという。
そのほか、南フロリダの検察もジェームズ氏とそのパートナーたちの取引について捜査しているとのこと。
またケンタッキー州のアメリコア破産裁判では、破産管財人が偽証罪で告発しており、グレゴリー・シャーフ判事は司法省への刑事告発の可能性を検討していたという。
シャーフ判事は、この件全体が疑わしいと判断したことを明らかにし、「煙あれば火あり」と述べている。
ジェームズとカタールの緊密な関係が浮上
ジェームズ・バイデン氏は2月に議会で証言した際、実行可能なプロジェクトがなかったために資金集めの努力が行き詰まったことを示していました。
しかし今回の証言でルーイット氏は、彼のファンド「プラチナ・グループ」とデラウェア州の「オーバーマイヤー・エンジニアリング・コンサルティング」という2つの会社の所有権について文書を提出しており、ジェームズ氏がカタール政府とこれまで理解されていたよりも緊密な関係を築いていた可能性を示しました。
ちなみにルーイット氏は、バイデン弾劾調査の一環として、議会の調査官との面談に応じる予定ですが、現時点では日程は決まっていません。
カタールが中東のジハード主義テロリストグループに資金援助をしているにもかかわらず、バイデン大統領がカタールをテロ支援国家と見なそうとしなかったのはなぜか。
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