ジョージ・フロイド氏殺害の裁判が始まる
さて全米注目の裁判が始まってる。
当時このブログでもたびたび話題にしてきたが、2020年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで起こった、白人警官がアフリカ系アメリカ人を死亡させた事件の陪審員裁判がスタートした。
‘Please. Your knee in my neck. I can’t breathe.’
Black man George Floyd died shortly after a Minneapolis police officer kneeled on his neck (warning: distressing) pic.twitter.com/kMPiILRUqR
— NowThis (@nowthisnews) May 27, 2020
死亡したジョージ・フロイド氏(当時46才)は、白人警官デレク・ショーヴィン氏によって不当に頸部を圧迫されて窒息死したと大々的に問題になり、BLM(Black Lives Matter)運動のきっかけの一つとなって各地で抗議者が殺到し暴動に発展した。
抗議活動は一部で日増しに過激になっていったため、トランプ大統領は連邦軍の出動を検討したが、当時のマーク・エスパー国防長官が反対を表明した。エスパー長官はその後解任されている。
致死量のドラッグが検出
裁判は米現地2021年3月29日から開始された。
被告の元警官デレク・ショーヴィン氏は第2級殺人・第3級殺人・過失致死罪など3つの罪に問われているもよう。
当時、ネットや報道ではBLMの抗議活動ばかりがフィーチャーされたためあまり注目されなかったが、以前このブログでもちらっと触れているが、弁護側によるとこのときフロイド氏はドラッグをやっており、検死調査の結果、致死量のフェンタニルのほか、メタンフェタミンが検出されていたと主張している。また、心臓に持病があったとも。
ショーヴィン氏側のエリック・ネルソン弁護士は、フロイド氏の死因は高血圧・冠動脈疾患・メタンフェタミンとフェンタニルの摂取・そしてアドレナリンによる不整脈によるものと主張している。
George Floyd avait:
– 11 ng/mL de fentanyl dans le sang ("assez élevé",
"fatal dans des circonstances normales")
– 19 ng/mL de methamphetamine (très faible, comportements violents à "200-600 ng/mL" selon le rapport toxicologique) pic.twitter.com/7hEFgekKJq— Philippe Berry (@ptiberry) April 1, 2021
証拠映像が提出
また裁判では、事件直前に偽20ドル札を使用してタバコを購入した店「カップ・フーズ」の店内映像が証拠として提出された。
動画の中でフロイド氏は、たしかにフラついているようにも見え、時に大笑いしたり、レジ前でダンスを踊ったりしていて、もしかしたらハイになっちゃってるのかなーという印象を受けるがどうなんだろうね。
「ハイになっているように見えた」
さらに証人としてカップ・フーズのレジ担当クリストファー・マーティン氏(19才)が証言台に立った。
The teenage clerk who confronted George Floyd over a fake $20 bill testified that his pay would have been docked if he had accepted the bill. He offered to pay the store, Christopher Martin said, but his manager asked another worker to call the police. https://t.co/5fwHGzbhFY
— The New York Times (@nytimes) March 31, 2021
マーティン氏によると、この日フロイド氏が来店した際、最初スポーツの話題をし始めたというが、そのときの印象を以下のように証言している。
「彼が言いたいことを言うのに少し時間がかかったため、ハイになっているように見えた」
偽20ドル札を受け取らなければ、事態は避けられた
その後フロイド氏が20ドル札を出してタバコを購入しようとしたが、その20ドル札には青いインクが見えたので、偽札ではないかと思ったという。
しかしフロイド氏はそれが偽札だとは知らないだろうと思い、助けるために受け取ったという。店のルールとして、偽札を受けた店員が補填する事になっているらしく、マーティン氏は自分で自腹を切って助けようと思ったようだ。
そのことをマネージャーに報告したところ、自腹の提案を断られてフロイド氏を呼び戻すように言われたため、すでに店を出ていたフロイド氏を呼び止めて店に戻るように促したが、フロイド氏は拒否した。
そのため警察に連絡したとのこと。
しかしマーティン氏は、このときの判断に罪悪感を持っていると言い「もし私が紙幣を受け取らなかったら、この事態は避けられただろう」と述べている。
元ガールフレンド「お互い依存症に苦しんでいた」
またフロイド氏の元ガールフレンドのコートニー・ロス氏(45才)が出廷。
Courteney Ross, who was dating George Floyd for nearly three years before his death in May, delivered tearful testimony on Thursday about their shared struggle with an opioid addiction.
Read more and follow our live coverage of Derek Chauvin's trial: https://t.co/sxxbubZcki pic.twitter.com/XWtK5cBGj5
— The New York Times (@nytimes) April 1, 2021
フロイド氏と3年あまり付き合っていたというロス氏は、お互い依存症に苦しんでいたことを涙で証言している。
何度も脱却しようと努力した
フロイド氏もロス氏も、もともと慢性的な痛みのために処方されたオピオイドを使用し始め、処方が終了した後も止められなくなり、路上で売人から手に入れていたという。
「私たちは中毒になり、そこから脱却しようと何度も一生懸命に努力した。」
さまざまな治療法を試したが、2020年3月にお互い再発してしまったと述べた。
またロス氏によると、フロイド氏は2018年に母親を亡くした際に、深刻なダメージを受けたと語っている。
車の中でも
フロイド氏がカップ・フーズの前で警察に尋問された際、乗っていた車に同乗していたモーリス・ホール氏は、フロイド氏にドラッグを提供していた一人だったという。
ショーヴィン氏のネルソン弁護士によると、警察が到着するまでの20~30分の間、フロイド氏は車の中で2錠のドラッグを服用したと主張している。また警察が来た際、ドラッグを隠そうとして口に入れたとも。
"While they were in the car, Mr Floyd consumed what were thought to be two percocet pills… BCA agents located various pieces of evidence during this search, including two pills… that were revealed to be a mixture of methamphetamine and fentanyl"https://t.co/DZj17T41UO
— National File (@NationalFile) March 29, 2021
後の検査により、このときのドラッグはメタンフェタミンとフェンタニルだったと述べている。
ちなみにホール氏の弁護士は、証言を拒否すると裁判所に伝えているもよう。
最後に
ここのところの流れとして、当初勢いのあった方にちょっと逆風を感じないでもない。そういえばどこかの州知事さんとかモロだけど。
このあとの裁判の展開がどうなるか興味深い。
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