iPhone 14に中国製チップが使用
iPhone 14が発売されますが、これに中国製チップが採用されていることで米国議員らが批判しています。
AppleはiPhone 14のNANDフラッシュのサプライヤーに、中国の長江メモリーテクノロジー株式会社(YMTC)を加えたと報じられました。
NANDフラッシュはこれまでSamsung、SK Hynix、Kioxiaから供給を受けてきましたが、調達先を多様化することで製造コストを下げる意図があると言われています。
またiPhone 12以後、供給を受けてきた中国のBOEを14でも再びディスプレイサプライヤーとして選んでいます。BOEはiPhone 13で恣意的に設計を変更したことが発覚しており、供給を打ち切ることが予想されていたようですが、また選ばれたという。
この理由はSamsungへの依存度を下げるためと言われています。
AppleがYMTCのNANDフラッシュを採用したことは、YMTCにとって「断固とした勝利」を意味するという。それは今後のApple商品に定期的に供給することが見込まれるからです。
Apple Adds China's YTMC to List of NAND Flash Suppliers https://t.co/hOCbLGq4S7
— Bill Bishop (@niubi) September 7, 2022
米議員「中国製チップは安全保障上の脅威」
しかし米国ではAppleが中国政府系企業のチップを採用すると報じられたことで、複数の議員らが反発しています。
フロリダ州選出の共和党マルコ・ルビオ議員は「もし(Appleが)そのまま進めば、政府からこれまでなかったような監査を受けるだろう。」「共産党に肩入れしている中国企業に、我々の通信ネットワークや何百万というアメリカ人のiPhoneに侵入させるわけにはいかない。」
またテキサス州選出の共和党マイケル・マッコール議員は「YMTCは中国共産党や軍と幅広いつながりがある」といい、「Appleは事実上、YMTCに知識とノウハウを譲渡することになり、これはYMTCの能力を増長し、中国共産党の国家的目標の達成に貢献するだろう。」と述べました。
反発しているのは共和党議員だけでなく、民主党のチャック・シューマー上院院内総務、マーク・ワーナー上院議員らも名を連ねています。
これらを含む超党派の議員グループは、YMTCや他の中国のチップメーカーを「米国の安全保障に対する脅威」になっているとして、7月にジーナ・ライモンド商務長官へ書簡を送りました。その書簡でYMTCをブラックリストに追加するよう求めています。
Apple 'playing with fire' buying iPhone 14 parts from Chinese supplier: lawmakers https://t.co/ONUePmGm3b pic.twitter.com/j3WmDIlHpB
— New York Post (@nypost) September 9, 2022
ティム・クックCEOと中国の関係
これに対してApple側は、「中国で販売される一部のiPhoneに使用されているYMTC製のNANDチップを評価している」と述べ、他の製品にはYMTC製のチップを使用していないと言っています。
また同社のチップに保存されるユーザーデータは完全に暗号化されている、と述べました。
Appleのティム・クックCEOは中国との癒着が噂されています。2016年には中国と2,750億ドル(現在のレートで約39兆円)に及ぶ秘密の契約を結んだと報じられました。
リークされた文書によると、この契約によって中国の企業の製造技術を支援し、投資、人材の育成、中国業者の部品を使用することなどが約束されたといいます。
米国の懸念
中国製品に対する安全保障上の懸念は以前から指摘されており、トランプ政権ではHuaweiやZTEなどの製品が禁止されました。
また先ごろ中国製アプリTikTokに、内蔵ブラウザに追跡コードが仕組まれていることが専門家の検証により判明しています。
またリークされた音声データにより、TikTokのエンジニアがユーザーのデータにアクセスしていたことが判明しました。
バイデン大統領は8月9日に「CHIPS and Science Act(チップと科学技術法)」に署名してます。これは半導体産業において中国に対抗することを目的とし、米国内の半導体技術を促進するために予算を提供するものです。
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