切り裂きジャック事件の犯人がDNA鑑定で特定?――歴史的猟奇殺人事件

「切り裂きジャック」歴史的怪事件

1888年に起こった未解決の歴史的猟奇殺人事件、通称「切り裂きジャック(Jack the Ripper)」の犯人が、現代のDNA鑑定によって明らかになったと話題になっている。

この切り裂きジャック事件は、1888年8月~11月に、ロンドンで少なくとも5名の売春婦が殺害された事件で、これまで犯人は特定されていなかった。少なくとも、というのは当時類似した殺人事件が頻繁に起こっていたらしい。

また犯行予告を新聞社に送りつけるなど、「劇場型犯罪」の元祖ともいわれている。

共通するエグい手口

この事件は2ヶ月という短期間に起こっており、手口がほぼ共通しているという点などからマニアの興味をそそり、切り裂きジャックの研究家=「リッパロロジスト」という造語も生むほどの世界的に有名な事件になった。

5件で共通する点として

  • 被害者は全員売春婦
  • 人目につかない路地で行われた(1件のみ違う)
  • 刃物によって喉を切り裂かれ、あるいは臓器をえぐられ持ち去られた
  • えぐり取られた臓器は見つかっていない

などである。

時を越えてDNA鑑定により浮かび上がった容疑者

今回、2名のイギリス人研究者が法医学ジャーナル「Journal of Forensic Sciences」誌に発表した記事によると、4番目の犠牲者キャサリン・エドウズの遺体の近くにあったショールに付着していた血液と精液のミトコンドリアDNA検査を行ったところ、容疑者の一人だったポーランド出身のアーロン・コスミンスキー(Aaron Kosminski)の現存する子孫のものと一致したという。

このショールはオークションにかけられたもので、事件現場に駆けつけた警官が拾って隠し持っていたものだといい、その子孫が一度も洗わずに保管していたのだと言う。

それをリッパロロジストの一人が落札し、DNA鑑定にかけたようだが、証拠としての信憑性はどうなんだろうか。

浮かび上がったアーロン・コスミンスキー

アーロン・コスミンスキーは1880年代の始めころ、姉妹と共にロンドンに移住したと言われている。後に母も合流したが、父については記録がないようだ。

彼が生まれ育った頃のポーランドは国力が弱体化しており、近隣のロシアなどに吸収されていた。このためユダヤ人は厳しい生活を強いられていたという。アーロン・コスミンスキーが生まれたクウォダワは元来ポーランドだが、当時はロシア領だった。

1881年にロシアの皇帝アレクサンドル2世が暗殺されロシア国内が混乱すると、「ポグロム」というユダヤ人に対する迫害行為(差別・虐待・強姦・略奪・殺戮など)が頻繁に行われるようになった。そのため多くのユダヤ人がイギリスに逃げるように移住したという。

アーロン・コスミンスキーもこのような時代の中で、反ユダヤ主義の抑圧を受けながら育ち、混乱の思春期を過ごしたというのは想像に難くない。彼に男兄弟はなく、母や2人の姉妹は、レイプが日常茶飯事に行われる中で生活しており、危険がなかったとは言い切れないだろう。そのような環境の中で、彼が自我や情操を正常に保てたかはわからない。

スラム街での事件

アーロン・コスミンスキーが移り住んだロンドンのイーストエンドにあるホワイトチャペルという地区は、そうした移民で膨れ上がっていた。失業者や貧困者が多く、治安も悪化していたという。

このスラム街のような地で、アーロン・コスミンスキーは理髪師として生計を立て始めた。しかしそれだけで食べてはいけず、姉妹を頼っていたというレポートがあるようだ。

「切り裂きジャック」事件では、捜査において様々な人物が容疑者として取り沙汰された。その中でも有力視されていただけでも7名いる。犯人は内蔵を切り取っていたことなどから、精肉業者や医師などに疑惑の目が向けられたが、いずれも立証に至っていない。

その中の一人がアーロン・コスミンスキーで、彼は犯罪歴と精神病院への入院歴があった。また、売春婦への憎悪を持っていたという。彼は目撃者の証言によって逮捕されたが、証拠不十分により釈放されている。もともと重い精神錯乱の病気があったとされ、1919年に入院先の精神病院で死亡している。

ホロスコープでは

さて、このような怪事件が生まれる時代的背景としては、当時双子座で海王星と冥王星が近づいていたことがあると思う(冥王星はまだ公式には発見されていなかったが)。海王星と冥王星はこの時代以後、重なることはない。

まさかのアーロン・コスミンスキーの出生時間がastro.comのデータベースにあった。22時ぴたりなのでどこまで正確なのかわからないが、ソースのレーティングはAAなのでそれなりに信憑性はあるだろう。

アーロン・コスミンスキー

1ハウス天王星なので変人っぽいんだけど、これはMCから来ているので社会では抑圧されるかもしれない。この天王星は集団の中で孤立する人のように見える。

それは置いといたにしても、月を見る限り不安定だし精神衰弱的なものがあったかもしれない。そういうのが精神錯乱の一端になっていると思うのだけど。

また上に書いた海王星と冥王星が、この頃は彼の場合12ハウスに入ってしまい、かなり混乱の様相を呈していたと思う。水星を直撃しているので。

これ冥王星が12ハウスだけど、6ハウスからきているので肉体へのディープな興味っていう風になるかもしれなくて、しかも牡牛座の冥王星なので肉体なんだけど、それが消えるっていう風になるのかも。つまり消えた内蔵。

他に気になるところはいっぱいあるのだけど、いずれにしても証拠としての信憑性がわからないので、なんともいえないが。


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2023年4月1日
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