どん底から5年ぶり優勝
コロナ禍で開催が見送られていたJLPGA女子プロゴルフツアーだが、事実上の開幕戦として先週アース・モンダミンカップが無観客で開催された。
日曜日に行われる予定だった決勝ラウンド最終日が、悪天候のため月曜に順延になる中で、渡邉彩香選手が5年ぶりの復活優勝を果たした。
#渡邉彩香 優勝しました‼️
結果が出なかった時も変わらずに応援し続けてくれたファンの皆さんのおかげです。
プレーオフを制した時に泣き、インタビューを見てまた泣き、涙が止まらない優勝でした😭
本当にありがとうございました‼️#アースモンダミンカップ#渡マネ pic.twitter.com/gNds1VUacz
— 渡邉彩香 (@watanabeayaka2) June 29, 2020
アース製薬の株価が上昇
ちなみにこの大会のスポンサーであるアース製薬の株価が、最終日が行われた週明けに一気に上がっている。
今回のアース・モンダミンカップは
- 無観客
- プロアマイベントなし
- TV中継なし(ネット配信のみ)
- コース及びクラブハウスに入れる関係者を必要最低限に制限(コーチも入れない)
- マスコミはリモート取材のみ
- PCR検査全員実施(JLPGAでなくアース製薬が全額負担)
今シーズン、コロナ禍の影響で大会主催企業が続々中止を決定する中、ほかでもない製薬会社という、本来なら人の安全を保全するための企業が、こうした決断を下したことに「よくぞやった」と投資家の称賛が集まった形かもしれない。それとゴルフファンは富裕層が多い、という要素もあるかと思う。
私どもは首尾一貫して開催したいと思っていました。(開幕戦の)ダイキンさんが中止になり、そこからドミノ式で大会の中止が決まっていきました。ツアー順に開催中止の発表がされ、当社の順番が来たのですが、当社を通り越して資生堂さんやニッポンハムさん、大東建託さんが中止発表となりました。
アース・モンダミンカップは興行収入や宣伝が目的ではなく、ゴルフ界の発展のため、社会貢献のために開催しています。安心・安全を確保するために、プロアマ戦でお客さんを呼べなくなったことや、無観客となったことは残念ですが、トーナメント実施そのものが一番の目的ですので、開催に向けて準備をしてきました。
【出典元】「やりたい思いは首尾一貫」 女子ゴルフ“開幕戦”決意にアース製薬会長/GDO
またYoutubeを使ってのネット中継も、完全生中継・CM入らない・4ch使ってのマルチ中継など概ね好評だった。ここのところ女子プロゴルフのTV放映にファンから不満の声があった中で、もしかしたら今回のYoutube中継は新しいゴルフ中継スタイルのサンプルケースになったかもしれない。
これまで
渡邉彩香選手は高校卒業後2012年プロデビュー、翌2013年には賞金ランク46位になりシード権を獲得。2014年にツアー初優勝を飾り賞金ランク11位になっている。
2015年には優勝1回、獲得賞金1億円を超えランク6位で日本人の中では最上位だった。
2016年リオ五輪に日本代表出場が有望視されていたが、惜しくも出場を逃した。これが不振のきっかけになったという。実際これを境に、成績がズルズルと下がっていくことに。最後の優勝は2015年の「樋口久子 Pontaレディス」で、それ以来勝っていなかった。
2015年 1億86万円(6位)
2016年 6277万円(12位)
2017年 3451万円(36位)
2018年 2080万円(55位)シード権失う
2019年 348万円(115位)〃
「リオ五輪に行けなかったことで、自分に足りないことばかりが浮かんでしまって。もっと『あれをしたい』、『これもやりたい』というなかで、(持ち球の)フェードボールの幅を狭めて、ストレートっぽくしようみたいな迷いも生じてしまって…」
【出典元】不振の原因は“リオ五輪落選” 渡邉彩香がはまった迷路「足りないことばかり浮かんできて…」/ALBA
渡邉彩香選手
これまでの不調がそのままホロスコープに現れてる感じだけど。1993年生まれなので厳しいこともあったと思うが、それは徐々に時の経過が解決する。こういう人は、その間にどれだけの努力をしたかが、その後の結果の大きさの違いになっていくのかもしれない。
フィジカルエリート
彼女の魅力は、なんと言っても170cmを超える身長を生かした平均270ヤードと言われる男子並みのドライバーの飛距離。もちろんゴルフは飛べばいいというものではないが、遠くに飛ばす才能はピッチャーの球の速さと同じく、練習では補えない持って生まれた身体能力。
どんなに勝利数が多く防御率が高いピッチャーがいたとしても、160km/hの剛速球で三振を取れるピッチャーへの畏敬は別モノだ。なぜなら鍛えても出来ないことが分かってるから。飛ばすゴルファーに対するそれも同じこと。
不調にあえいでいた昨年、彼女はドライバーを外して試合に臨むこともあったという。しかし「自分からドライバーを取ったら何が残るんだ」との葛藤があった。
「もう勝てないかなと思った時期も正直あった」――そんな不調の時でも、応援していたファンは渡邉彩香選手のドライバーショットを忘れなかった。
それは、心から「すげえ」と思えるからだと思う。
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