CIA、アサンジの殺害or誘拐を計画していた
かつてCIAが、ウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏の誘拐もしくは殺害を計画していたと新しい報告が伝えています。
これは米Yahoo Newsが30人以上の元当局者に取材し、そのうち8人が具体的な計画の詳細について述べたとのことです。
Report: Senior officials inside the CIA & Trump administration discussed killing Assange, going so far as to request “sketches” or “options” for how to assassinate him. Discussions over kidnapping or killing Assange occurred “at the highest levels” https://t.co/rA7hRgU7Tr
— WikiLeaks (@wikileaks) September 26, 2021
ウィキリークスがCIAの「Vault 7」と呼ばれる秘密のハッキングツールを公開したことは、「CIA史上最大のデータ損失」と言われ、これに遺憾に感じたCIAが落とし前をつけようとして計画を企てたと言われています。
復讐計画
CIAはウィキリークスに激怒し、当時のトランプ政権でCIA長官に任命されたマイク・ポンペオ氏が復讐しようとしたと伝えられています。
これについてポンペオ氏とCIAはコメントしませんでした。
具体的な計画には、ロンドンの路上での銃撃戦、アサンジ護送車両への追突、ロシアへ護送する飛行機のタイヤを撃ち抜く、などがあったようです。
そしてイギリス側もこの計画に同意していたとのこと。
米国の怒りの歴史
米側の怒りには蓄積された歴史がありました。2010年にウィキリークスが数千ページに及ぶ米国の軍事機密情報やレポートを公開した後、米政府から睨まれていたといいます。
しかしオバマ政権は、言論の自由を認める米国憲法修正第1条により、ウィキリークスへの調査を制限しました。
2013年に転機が訪れました。当時NSA(米国家安全保障局)のスタッフだったエドワード・スノーデン氏が、NSAの機密情報をリークしたのです。これは映画化されたほどの出来事です。これによってオバマ政権は積極的なウィキリークスへの調査を始めたといいます。
しかしこの前年、ジュリアン・アサンジ氏はエクアドルに亡命しています。
そして2016年の大統領選挙前、ウィキリークスは有名なヒラリーメールのリークという特大の爆弾を投下しました。歴史に残るオクトーバーサプライズです。
これによってヒラリー・クリントン氏は、ドナルド・トランプ氏の逆転を許したといっても過言ではありません。彼女の政治家生命はここで事実上の終わりを告げました。
執念の計画
2017年、ウィキリークスは「Vault 7」のリークを開始、トランプ政権内の高官の怒りを買ったといいます。
さらにアサンジ氏が当時米軍の分析官だったチェルシー・マニング氏のハッキングに協力したとの疑いをかけられ、ますます米側の怒りを煽ったようです。
ポンペオ氏と当時CIA副長官だったジーナ・ハスペル氏の執念は消えなかったといいます。CIAはウィキリークスやアサンジ氏に対し、どう反撃するかが問題だったと。
そんな中でアサンジ氏の誘拐や殺害について議論されたといいます。殺害については、どこまで真剣なものだったかは明らかではないとしていますが、少なくとも議論はされており、複数の関係者が計画を受け取っていたと証言しているようです。
結局のところ、アサンジを殺害する作戦は実行されませんでした。CIA内部ではこの計画が合法かどうか疑問視されており、難しかったようです。
トランプ氏の動向
気になるのはトランプ氏がどう思っていたかです。というのも大統領の職を降りる際にトランプ氏は大量の恩赦を出していますが、そのときアサンジに恩赦を出すのかどうかが話題になっていました。結局のところ恩赦は出されませんでしたが。
当時ポンペオ氏は、「Vault 7」の件をトランプ大統領に報告することを嫌がっていたといいます。怒りを買うのを恐れていたと。
当のトランプ氏はYahoo Newsに対して、アサンジ殺害を検討したことはないと否定しました。「全くの誤報であり、そんなことは起こらなかった」
それに加え、トランプ氏はアサンジ氏に同情的な見解を示しています。「実際、彼はひどい扱いを受けていると思う。」
アサンジ氏の現在
アサンジ氏は現在ロンドンの刑務所に収容されており、米国の身柄引き渡し要求に対する対応を検討しているといいます。
法廷闘争はまだ始まったばかりの段階で、今年1月にイギリスの裁判所はアサンジの米国への身柄引き渡しを却下しました。米国の刑務所では自殺の危険があるという判断です。
これに対し、米国側は上訴したとのこと。これは7月に受理されたといいます。
ではこの辺で失礼します。
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