英パーティーゲートの調査報告書が公開
新月は今の情勢を反映してます。
さてイギリスでロックダウン中に、ダウニング街10番地で政治家や政府関係者がパーティーに興じていた事がスッパ抜かれて炎上している=「パーティーゲート問題」で、この件を調査している内閣府のスー・グレイ事務次官の調査レポートが発表されました。
ダウニング街10番地は日本でいうところの永田町です。
Sue Gray, a senior civil servant, has published a long-awaited and highly critical report on the party and drinking culture at the heart of Boris Johnson’s government, piling pressure on the UK prime minister. Read more here: https://t.co/eINWMBPPk3 pic.twitter.com/fhpKbNwXEC
— Financial Times (@FinancialTimes) January 31, 2022
ロンドン警察が圧力
ところがこのレポートにロンドン警視庁から圧力が入ったようです。グレイ氏は警察から「最低限の報告」しかしないように要求されたため、縮小版にダウングレードせざるを得なかったと言っています。
グレイ氏はダウニング街10番地の関係者70人以上に聞き取りを行い、電子メール、WhatsAppのメッセージ、テキスト、防犯カメラの画像などを調査し、300以上の画像と500ページ以上の情報を入手して警視庁に提供したといいます。
「私が集めることができた、広範囲に及ぶ事実情報を元に分析した意義のあるレポートを提供することは、現時点で困難です」と述べました。
予想していたことが起こったか、という感じです。
ジョンソン首相に非難が集中
それでも報告書が公開されたことで、1月31日に行われた英国下院議会でジョンソン首相に非難が浴びせられることになりました。それには保守党の大物議員達からも非難の声が上がりました。
テリーザ・メイ前首相は「ジョンソン氏は(ロックダウンの)ルールを読んでいないか、10番街には適応されないと思っているかのどっちかだ。」と述べ、「どっちなんだ?」と詰め寄りました。
またアンドリュー・ミッチェル元国際開発大臣は「もはや首相を支持しない」と述べました。
トバイアス・エルウッド元トーリー党党首は、レポートの全文を公開しないなら「彼はもはや私の支持を得られないだろう」と言いました。
他にもアンジェラ・リチャードソン補佐官が先週、「ジョンソン首相への失望」を理由に退職しており、祖母を亡くしたアーロン・ベル議員は、葬儀でルールに従ったのにジョンソン首相はそれをバカにしている、と非難しました。
けっきょく完全版の公開を約束
こうした批判に対し、ボリス・ジョンソン首相は繰り返しグレイ・レポート完全版の公開を拒否していましたが、けっきょく全文を公表すると発表しました。
今までだったら拒否で押し通せたかもしれませんが、しかしもう時代のフェーズが変わりつつあります。
山羊座時代は終わりに近づいているのです。これまでまかり通った事が、通らなくなってきています。支配者側・ゴリ押し側はそれに気付かなければなりません。
レポート:16回のパーティーが開催
グレイ氏のレポートでは2020~2021年の20ヶ月の間で、16回の集まりがあったことを報告しており、そのうち12回については警察が捜査中であるとしました。
- 2020年5月20日:ガーデンパーティー
上級公務員マーティン・レイノルズ氏から100人以上の政府職員達に宛てられた「お酒を持参で」というメールから発覚 - 2020年6月18日:内閣府のパーティー
誰かの私設秘書の退任を記念して行われたもよう - 2020年6月19日:ジョンソン首相のバースデーパーティー
最大で30人以上が参加。キャリー・ジョンソン首相夫人が企画したと言われる。政府と関係ないジョンソン首相の個人アパートのインテリアデザイナーのルル・ライト氏が出席したとも。 - 2020年11月13日:政府広報責任者リー・ケイン氏の退職パーティー
ジョンソン首相が送辞のスピーチを行ったと言われる。 - 2020年11月13日:ジョンソン首相の自宅パーティー
ジョンソン首相の上級顧問ドミニク・カミングス氏の退職パーティー。 - 2020年12月17日:内閣府クリスマスパーティー
サイモン・ケース官房長官の秘書が企画したとされる。カレンダーに記載されていたことから発覚。クイズが行われたとも。 - 2020年12月17日:ケイト・ジョセフス氏の退任パーティー
ジョセフス氏はCOVIDタスクフォースの局長だった。その日集まりがあったことを認めているという。 - 2020年12月17日:誰かの退任パーティー
これも政府関係者の退任パーティー。 - 2020年12月18日:クリスマスパーティー
ダウニング街の職員のパーティー。プレゼント交換が行われた。ジョンソン首相は出席していないとみられる。 - 2021年1月14日:スタッフ2名の退職パーティー
私設秘書2名の辞職のために開かれた - 2021年4月16日:エディンバラ公フィリップ王配の葬儀前夜のパーティー
2つの別々のパーティーが行われたと報じられる。目撃者は30人ほどが参加し飲酒、ダンスしていたとリークしている。後にエリザベス女王に謝罪。
【その他のパーティー】
- 2020年5月15日:チーズとワインパーティー
ダウニング街10番地のガーデンで、ワインとチーズを前に談笑している姿をガーディアンがリーク。ジョンソン首相、キャリー夫人、ドミニク・カミングス元最高顧問、ジョンソン氏の主席私設秘書マーティン・レイノルズ氏らが参加。 - 2020年11月27日:2名のスタッフの退職パーティー
ジョンソン首相が送別スピーチを行ったと言われている。 - 2020年12月10日:教育省のパーティー
広報担当が認めている。 - 2020年12月15日:ダウニング街のクイズパーティー
サンデー・ミラー紙にスッパ抜かれる。ジョンソン首相がクイズ出場者で参加。
目撃者の話として、あるダウニング街スタッフはパーティーの帰りに「パーティーを許されているのは我々だけだ」と警察に自慢したといいます。
リーダーシップに判断と失敗があった
グレイ氏は報告書で、上に挙げた出来事について「当時のイギリス人全員に期待された高い基準が守られなかった」と主張しました。
そして「リーダーシップに判断と失敗があった」と結論づけました。ただし「刑法に違反しているかどうかを判断するのは私の役目ではない」としています。
上に書いたようにグレイ氏は、調査のために集めた画像や文書を警察に提供しました。
完全版は公開されるのか?
ジョンソン首相はグレイ氏の報告書の完全版を公開するとしたものの、政府は公開を拒否しているといわれており、実際に公開されるかについてはまだ懐疑的な見方もあります。
また警察の調査が終わる頃には国民の怒りは収まっているだろうとの期待から、時間稼ぎをしているとも言われています。
一部の保守党の議員は、グレイ報告の完全版の公開を待って、ジョンソン首相を罷免するかどうかについて検討すると語ったといいます。
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