日産自動車のカルロス・ゴーン会長が逮捕というニュースが入ってきた。金融商品取引法違反=自らの報酬を過少に申告した疑いだそう。
リストラという概念を持ち込んだ
日産自動車は1990年代後わりに経営危機に陥った時に、フランスの自動車メーカー・ルノーとの資本提携を結んだ。その際にカルロス・ゴーン氏が最高経営責任者に就任したのである。
ゴーン氏就任後は徹底したコストカットを断行し、その後見事に日産自動車を立て直した。その手法で評価されたように、思い切った「リストラ」を日本に持ち込んだ経営者としても知られる。この後、企業のリストラは当たり前のようになっていった。
日産の負の歴史
そもそも日産が経営危機に陥った流れを知る中で、その歴史を無視できないように思う。戦闘機など作っていた中島飛行機が、敗戦によってGHQに解体され、その人材は鉄道や自動車産業に流れていった。中島飛行機は太平洋戦争までは東洋一の航空機メーカーと言われ、優れた設計者・技術者を有していたのである。
国のミッションによりゼロ戦を始めとする戦闘機を作っていたような、秀でた知識や技術を持った人材が、後に国鉄で新幹線を作り、あるいは日産の前身となるプリンス自動車などで自動車の開発に携わることになったのである。
こうした流れからか、公的に官の発注する自動車は自然と「日産」という流れがあった。つまり天皇家の使用する車などは全て日産製だった。
これが日産に変なプライドを生み、その優位的立場にあぐらをかいてしまう元になったのかもしれない。トヨタやホンダなどがバックボーンを持たず、グラスルーツから切磋琢磨して自力で成長してくる中で、日産は「親方日の丸」的な位置に余裕を持ってしまったと言われても仕方がない。景気が良かった頃は問題もなかったが、いざバブルが弾けて景気が悪化すると、途端に企業体質の弱さを露呈してしまった。
外国人経営者だからこそ
こうしてゴーン氏が就任する頃は、無駄が多かったのだろう、その徹底したコストカットが功を奏した。
自動車に限らず、そもそもメーカー企業は、どうしても傘下の部品メーカーを保護する体質が昔からあった。日頃から納期や原価などでムリを強いる代わりとしてのアメとムチ的関係である。また、こうしたベタベタ関係を無碍に切れないのが日本人の気質でもある。
そうした点で、何のしがらみもないゴーン氏だからこそ都合良くリストラできたかもしれない。非情と言われようがなんと言われようが「日本語わかりませーん」「日本のやり方わかりませーん」でよかったのだ。
ゴーン氏、取締役の解職も
ゴーン氏の莫大な報酬は常に話題になっていたが、今回、日産は取締役会でゴーン氏の会長と取締役の解職を提案するそうである。それによると、ゴーン氏は長年にわたって不正行為を働いていたという。
内部調査によって判明した重大な不正行為は、明らかに両名の取締役としての善管注意義務に違反するものでありますので、最高経営責任者において、カルロス・ゴーンの会長及び代表取締役の職を速やかに解くことを取締役会に提案いたします。また、グレッグ・ケリーについても、同様に、代表取締役の職を解くことを提案いたします。
【出典元】当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について/日産自動車
日産のホロスコープにみえること
もしかしたらいま日産は変革期かもしれない。というのも2年ほど前に、天王星リターンを迎えていたからである。日産自動車の設立は1933年で、その当時天王星のあった場所に、ちょうど1周して戻ってきた。
天王星の公転周期は約84年で、だいたい人間の一生と同じくらいである。つまりひとつの生命のサイクルが末期を迎え、生まれ変わりを要求されていると考えることができる。
天王星は改革を示す。古い価値観を否定し新しい風を持ち込むのが天王星である。そういう意味では、むしろ日産はこの時期が変革のチャンスかも知れず、新たな体制を求められているのかもしれない。
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