今年2017年の注目すべき天体イベントの一つ、日本時間の2017年10月10日22時過ぎ、木星が蠍座に移った。木星の公転周期は約12年のため、一つのサインにだいたい1年くらい滞在する。今回木星は昨年2016年9月9日に天秤座に入り、13ヶ月ほどで蠍座に移動したことになる。
木星が地上にもたらす「意味」とは
古来より占星術において、木星は「ラッキーの星」と言われてきた。また数々の神話や信仰の対象にもなっている。すでに書いたように木星は約12年で太陽系を一周するが、この「12」という数字は、東西問わずさまざまな運命学で使われる数字である。
中でも「十二支」は日本人に最も馴染み深いが、「12」は中国を起源とする東洋運命学においてもポピュラーに使われる定番の数字であり、十二支のように一つの単位(サイクル)を示すのだ。
そしてそれは木星の公転周期から来ていると言われる。
一方で占星術において木星は「拡大」や「援助」を意味する。木星は太陽系の中で最も大きな惑星であり、その大きさから「拡大」を意味する。
そして物理的な大きさによる重力によって、予想外に侵入してくる彗星などの軌道を変え、木星以内の惑星を衝突から保護している。その事から「助ける」星とされてきた――これが木星が別名「太陽系の掃除屋」と呼ばれる理由だ。
誰でもホロスコープに木星があるが、その部分は本人が苦労しなくても報われるポイントになる。その部分は勝手に広がりがもたらされるのだ。
しかし近年の占星術の解釈では、木星は「ラッキー」とは少し違うニュアンスになってきている。というのも、何でもかんでも広げてしてしまうからだ。つまりネガティブなことも広げてしまう。
なので木星の位置とともに、そのアスペクトなども考慮するべきだろう。
木星・天秤座時代の象徴的出来事
個人的に今回の木星・天秤座の象徴的な出来事と言えば、昨年物議を醸した電通の高橋まつりさんの過労死自殺の問題だと思っている。これは社会にとって極めてネガティブな問題だったが、騒ぎはとどまることなく拡大し、結果として世の中の認識を変える役割を果たしたと思う。
高橋まつりさんが実際に自殺したのは2015年12月のことだが、この事件が世に広く知れ渡ったのは2016年9月30日に労基署が労災認定したことがきっかけだった。つまり木星が天秤座に入ってすぐのことだ。
この件以降、組織(会社)のブラック的な部分、例えばヤマト運輸の残業代未払いなどがクローズアップされるようになり、それまで組織の論理がまかり通ってきた中で、この問題によって「組織の犠牲になる個人」という部分が注目され、多少なりとも変化をもたらしたのは大きな前進だった。
ムーブメントをもたらした天秤座の木星
天秤座はその言葉のイメージから「バランス」を意味していて、つまり偏った状態を良しとせず、客観的な視点を求める。(ちなみにアメリカ国家のホロスコープは天秤座に土星があり、常に差別だの裁判だのというのがテーマになるが)
高橋まつりさんにすれば、社会への第一歩として電通に入社し、希望に満ちていただろう。しかし現実は著しく不等な労働環境に置かれ、それに文句を言うこともできず、一人で思い悩み精神を崩していったに違いない。
しかもそれは一企業の内部の事情ゆえ、通常、一般社会に晒されることはない――それをいいことに、組織は個人に無理を強いてきた。結果として彼女が精神を病んで自殺してしまったのは、残念であり不幸な事だ。
その後、木星が天秤座に入り、折からのカーディナルスクエアも絡んで天秤座-山羊座-牡羊座のカーディナルTスクエアという配置になった。元来、木星は受容性が高く鷹揚な天体なので、世の中にインパクトを与えるようなことはないのだが、強い天体とのカーディナルTスクエアによって、大きな問題へと発展する配置となった。
そして天秤座の木星だけに、テーマが「人権」という部分だったのだと思う――労基署は労災を認定した。
ご存知の通り、電通は強制捜査を受け、結果的に当時の石井社長が引責辞任することになり、一部の幹部らが書類送検された。また電通は「2016年度ブラック企業大賞」という不名誉な称号を得た。
そして先ごろ9月22日にこの件の裁判が結審し、あたかもその役目を終えたかのように、木星は蠍座に移動した。
――あと12年経過しないと、木星は天秤座に戻ってこない。
これからの蠍座木星時代と、もう一つのビッグな天体移動
蠍座は天秤座と違って、偏った価値観をもたらすだろう。つまり公平性やバランスは、もはや後に追いやられてしまう。それがどのような意味なのかは、蠍座の意味を知ることによって理解できるだろう。
その意味で差し迫った今回の衆議院選挙には注目かもしれない。偶然か考慮されたのかは分からないが、まったくもって図ったようなタイミングでの選挙になった。
しかも年末にはもう一つのビッグな天体イベント=土星の山羊座入りが待っている。こちらの方が、社会に与える影響は大きいように思う。
最後に――あなたにとってラッキーポイントのチェック
これまで書いてきたように、木星は天秤座からすでに去ったが、これを読んでいる方に一つだけ確認してみる事を提案しようと思う。
まず、2017年9月12日くらい~10月10日までの間で、自分に何か新しい企画や案が他者からもたらされたり、あるいは自分の中から湧き出たアイデアみたいなものがあったかどうか、思い出してもらいたい。
もし相当する心当たりがあるなら、その件について掘り下げてみるといいのでは?
なぜそのような提案をするのかというと、その期間に木星は牡羊座の天王星とタイトな180度になっていた。木星-天王星といえば「新しい展望」という意味になるから、何か新たな「人生の広がり」になっていく可能性があるのだ。
そしてできれば、その木星-天王星の180度が、自分のホロスコープの何ハウスになるのか、調べてみるとさらに良い。なぜならそれが、新しい仕事や収入になるのか、新しい人間関係になるのか、新しい研究テーマになるのか、などはそれぞれ個人のハウスによるからだ。
なお、これは占星術の正式なテクニックであり、TVやメディアなどで見かけるチープな「占いごっこ」とは訳が違う事をお断りしておきたい。
かくいう私も、その期間に思い当たる事があった。もちろん自分のホロスコープのどこに該当するかも分かっているので、すでに動き始めている。もっと言えば、それよりもずっと前から、この時期に何か新しいアイデアが起こったら、すぐに対応しようと決めていた。
なぜならホロスコープは、そういうことを事前に予想できるツールだからだ。
未来の予知や予想は、なにもスピリチュアルだけが出来ることではない。
そしてこれに限らず、今後予想できるすべての事柄について、事前に心構えができる。
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