ナワリヌイの死でロシアに続々と制裁
欧米では(おそらく日本も)アレクセイ・ナワリヌイ氏の死は、現時点でロシアのウラジミール・プーチン大統領が指示したとの見方で一致しているのではないかと思います。
それによりバイデン大統領はプーチン大統領を非難し、即座に500以上の新たな制裁を発表しました。
「本日、私は、ロシアがウクライナに対する征服戦争を続けていること、そして、勇気ある反腐敗活動家であり、プーチン大統領の最も獰猛な野党指導者であったアレクシー・ナワリヌイ氏の死に対して、500以上の新たな制裁措置を発表する」
また、100近い団体に新たな輸出制限を課したという。
EUも、ウクライナを弱体化させていると疑われるいくつかの個人や組織に制裁を加えました。これにより、EUがロシアに科した制裁措置は合計で2,000を超えることになるとか。
Hundreds of new sanctions slapped on Russia after Alexei Navalny's death
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— Sky News (@SkyNews) February 23, 2024
バイデン大統領は、すでにユリア夫人と娘にサンフランシスコで面会したという。
だいぶ用意がいい。
President Biden meets Alexei Navalny's widow and daughter https://t.co/LV14ViR0UP
— BBC News (World) (@BBCWorld) February 23, 2024
疑われるほどのタイミングの良さ
個人的にもロシアの陰謀説が妥当のようにも思えますが、奇妙に感じる点がないわけではない。
というのも私は前の記事で、
- ちょうど妻ユリア氏がミュンヘン安全保障会議に出席していたこと、そこでスピーチしたこと、それが”夫の死の数時間後”だったこと、について「このタイミングというのが偶然なのか何なのか」と書いています。
- さらに、ロシア軍がウクライナ東部のアヴディフカを制圧したタイミングともドンピシャで重なっており、「ウクライナ軍が撤退したタイミングとも被ったのが興味深い」とも書きました。
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なぜユリア夫人がこのタイミングでドイツの会議にわざわざ出席していたのか、そして即座にスピーチが行われたのもタイミングがいい。参加は本人の意思なのか招待されたのかは情報を得ていませんが。
この会議にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席していたのもキーポイントでしょう。なにか、すべて準備されていたかのような匂いさえ感じてしまうのは勘ぐりすぎか。
そんな中アメリカは下院共和党の反発に遭い、ウクライナの支援(金と武器)予算案がなかなか議会を通らないでいた。
さらにアヴディフカから撤退したように、ウクライナ側の戦況が芳しくないという報道が相次いでいる。
タイミングという点ではまだある。それはロシアの大統領選挙が目前だということ。(3月15日~17日)
こんなに状況と偶然が重なることがあるのか。
カールソンとプーチンのインタビュー
そして忘れてはならないもう一つ重要なタイミングの一致がある。
それはナワリヌイ氏の死が、あの物議を醸したタッカー・カールソン氏とプーチン大統領とのインタビューの”直後だった”ということです。このインタビューは2時間以上もあるのに2億回ビューを超えた。
これまで欧米の主流メディアが、あそこまでプーチン大統領の生の声を伝えることがあったのか。タッカー・カールソン氏はそれをフリーの立場でやってのけた。
そしてなによりイーロン・マスク氏のツイッターXだったのが勝負になったと思う。Youtubeや他のSNSだったらとっくに検閲されて削除されていたはずで、Xだからこそ2億回再生が可能だった。
なにより2億ビューという数字が、どれだけ人々が興味を持っているということを示しているかということでしょう。
これまで欧米のメディアは「ロシアがー」「プーチンがー」と目の敵にして叩いてきた。
しかしそれは一方的なプロパガンダだった。政治的に偏向した押しつけの意見しか伝えてこなかったのです。
Ep. 73 The Vladimir Putin Interview pic.twitter.com/67YuZRkfLL
— Tucker Carlson (@TuckerCarlson) February 8, 2024
ナワリヌイはMI6の諜報員だった
カールソン氏とのインタビューでプーチン大統領は、長いこと欧米から敵視され圧力を受けてきたと語った。2014年のマイダン革命は米国の工作だったとも。
そしてイスタンブールで行われたウクライナとの和平交渉で、当時のイギリスのボリス・ジョンソン首相が停戦を頓挫させたと語った。ジョンソン氏はこれが公開された後、狂ったように非難した。バラされた腹いせだったのか。
ジャーナリストのギルバート・ドクトロウ氏はサブスタックで、「このナワリヌイ排除作戦の主な目的は、タッカー・カールソンのプーチンとのインタビューのPR効果を消し去ることであった」と書いている。
それによると他の主流メディアのコンテンツはこのインタビューほど注目されることはなく、その宣伝効果は段違いであり、今まで欧米メディアが流布してきたプロパガンダが覆される恐れがあったため、それをひっくり返すための策だったというのです。
ドクトロウ氏によれば、ナワリヌイ氏はMI6の諜報員だったという。
そしてロシア/ウクライナ戦争にはイギリスが深く関与しており、ロシアに危害を加え、信用を失墜させるためにできることをしていると述べている。
また、
「ナワリヌイ氏の死は、ロシアを”独裁的で略奪的な国家”として非難し、米国議会にウクライナへのさらなる資金援助と武器輸送を行うよう圧力をかける目的で、西側諸国の指導者たちが大勢集まったミュンヘン安全保障会議が開かれる前日のことだった。」
「そして、アレクセイ・ナワリヌイの妻(現在は未亡人)がミュンヘン会議で記者団に語り、プーチンへの復讐を誓った。 彼女が事前にミュンヘンに招待されていたとは、まるで計画者たちが来るべき死を事前に知っていたかのようで興味深い。」
実にいろいろとタイミングが合致しすぎているというのです。
https://gilbertdoctorow.substack.com/p/after-trt-world-failed-to-post-my
MI6だけでなくCIAでも働いていた
そもそもナワリヌイ氏には「独裁者プーチンと闘う正義の民主主義者」みたいなイメージがあったと思います。
しかしそれは、欧米のメディアが我々に植え付けてきたイメージかもしれない。
前の記事で書きましたが、ロシアのメディア「RT」がリークした動画の中で、ナワリヌイ氏の側近アシュルコフ氏がイギリス外交官に、工作活動の金を要求していた事が明らかになった。
このイギリスの外交官ジェームズ・ウィリアム・トーマス・フォード氏は、イギリスの諜報機関「MI6」の工作員の疑いがあるという。
そして上で書いたようにドクトロウ氏は、ナワリヌイ氏もMI6の諜報員だと述べている。
ドクトロウ氏だけではない。
元国連特別委員会(UNSCOM)兵器査察官のスコット・リッター氏は、アンドリュー・ナポリターノ氏のポッドキャストの中で同じ事を言っている。
それによるとアレクセイ・ナワリヌイ氏は、MI6だけでなくCIAでも働いていたという。
ナポリターノ氏「ナワリヌイはMI6かCIAか、あるいはその両方か?」
スコット・リッター氏
「両方だ。我々はこの豚に口紅を塗り、彼を民主主義の象徴に変えようとしたが、彼は決して民主主義者ではなかった。彼は常に、CIAによって訓練され、資金を提供され、指示された破壊的勢力だった。」
"Was Navalny an intelligence asset of MI6 or CIA, or both?"
Scott Ritter: "Both… we tried to put lipstick on this pig and turn him into the symbol of democracy, but he was never a democrat. He was always a disruptive force, trained, funded and directed by the CIA." pic.twitter.com/zzpuef6QPQ
— COMBATE |🇵🇷 (@upholdreality) February 21, 2024
ナワリヌイは民主主義者ではない
リッター氏によると、ナワリヌイ氏はプーチン大統領に対する3度のクーデター未遂に関与したという。
最初の試みは2007年から2008年にかけてで、アメリカはロシアでカラー革命を引き起こそうとしたが、失敗に終わった。
その後ナワリヌイ氏はイェール大学のプログラムに選ばれ、CIAは彼をリクルートし、訓練し、派遣するために利用したとのこと。
そして「ロシアの政治状況を混乱させるためにロシアに送られた」とリッター氏は述べた。
ナワリヌイ氏は、コーカサス地方の人々を駆除すべき「ゴキブリ」や「ハエ」に例え、グルジア(ジョージア)の人々を「ネズミ」と呼んでいたという。
リッター氏によればナワリヌイ氏はナショナリストであり、民主主義者ではなかった。
「彼は民主主義とは無縁で、自信もなく、選挙にも勝てなかっただろう」
CIAはマイダン革命にも絡んでいる。
ロシア国内のナワリヌイ評価
ロシアの反プーチンメディアである「The Bell」も、ロシア政府がナワリヌイ氏の死を画策したとするのは「バカげている」と評している。
ナワリヌイの死は西側の責任であり、ロシア政府は彼の殺害から利益を得ていない。
最初のテーゼは、西側諸国が最も遠く離れた植民地のひとつで最も警戒されているロシアの囚人に接触できたというものだが、あまりに馬鹿げていて話にならない。
第二のテーゼは伝統に従っている。ボリス・ネムツォフの殺害にクレムリンが関与していないことは、 2015年にもまったく同じように説明された。 しかし、アレクセイ・ナワリヌイのケースでこのテーゼを主張するのは非常に難しいだろう。
そしてナワリヌイ殺害に伴う国内政治的リスクも小さいといい、なぜならナワリヌイ氏の人気は2021年以降低下していると述べた。
ロシアの独立系調査機関「レバダ・センター」のデニス・ヴォルコフ所長は「2023年の初めには、ナワリヌイ氏は信頼できる政治家のトップ10から外れていた。」と述べています。
その後、ナワリヌイの評価は1%台のまま変動した。最も低い数字は2024年1月だ」と述べ、ごく最近の支持率が最も低かったことを示しました。
ちなみにレバダ・センターも反プーチンだと言われています。
欧米のでっち上げ?
・・・つまりアレクセイ・ナワリヌイ氏について、我々は欧米メディアにまんまと騙されていたということか。
そのためのプロパガンダ映画『ナワリヌイ』まで制作され、絶賛された。この映画は第95回アカデミー賞長期ドキュメンタリー映画賞を受賞した。これも今思えばイメージ作りのためだったのか。
もし欧米の工作だとすると、上で書いたようにあまりにさまざまなタイミングが合いすぎるのは合点がいくし、欧米の対応が素早いのも用意周到すぎる事の証明かもしれない。
そしてその理由は、各国の心が離れつつあるウクライナに、もう一度支援を集めるために仕組まれたということか。
ウクライナに費やされる金は、国が払うのではありません。我々が納めた税金であることを忘れてはいけない。貸すのならいいかもしれないが返してくれる金なのか。
ましてや増税などされたらたまったものではない。
(断っておきますがあくまで情報として取り上げているので、どう思うかはそれぞれ個人で判断してください)
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