米最高裁判所、中絶の権利を認めたロー対ウェイド判決を覆す――全米各地で抗議活動、Antifaが暗躍

米最高裁がロー対ウェイド裁判を覆す

いま米国ではロー対ウェイド裁判が覆された話題で持ちきりです。長年議論されてきたテーマに、ようやく一つの判断が下ったものです。

ロー対ウェイド裁判は1973年に米最高裁判所が、それまで違法とされてきた人工中絶の権利を認めたもので、ロー判決ともいわれています。この頃は天秤座時代なので個人の権利が認められやすかったでしょう。

米現地2022年6月24日に最高裁はこの判決を覆し、「憲法は中絶する権利を与えない」「中絶を規制する権限は国民とその選出議員に戻される」との判断を下しました。

当然保守派はこれを勝利とし、左派は敗退だとしています。

これによって全米各地でプロチョイスと言われる中絶賛成派の抗議活動が起こり、一部で暴動に発展しています。また最高裁のブレット・カバノー判事の暗殺犯が逮捕されるといった事件も起こりました。

いずれにしても暴力・略奪・破壊行為はもはや左派の伝統芸になってますね、BLMの時と同じです。

Antifaの暗躍?

ちなみにその抗議活動ですが、以下の動画で気付くことがありませんか?

なぜか集団の先頭を歩く人たちが、雨でもないのに黒い傘を持って黒い覆面をしていることにお気づきでしょうか。彼らはカメラを向けられると一様に傘で自分の顔を隠します。

この黒い人たちはアンティファ(Antifa)のメンバーといわれてます。

先頭切って抗議集団を率い、一方で自分たちのアイデンティティは隠すという。なにか後ろめたいことでもあるんでしょうかね。他の一般民は顔など隠していないのに。

なにやらキナ臭さを感じないでもない。誰かに雇われたりしてないでしょうね?

中絶が禁止されたわけではない

今回の米最高裁の判断におそらく日本人は「個人の権利を奪うなんて!」という意見を持つ人も多いと思いますが、これ、覆ったからといって中絶できなくなるわけじゃないですからね。

最高裁は、各州の判断に委ねただけです。つまり中絶の合法/非合法は州が決めなさいということです。

これを受けて20以上の州が中絶を禁止すると言われています。その中には妊娠第○週以後といった期限を定める州もあります。

なので自分が住んでいる州で中絶が禁止されているとしたら、合法の州で手術すればいいだけのことです。すでにいくつかの企業が、他の州で中絶する人のための費用を援助すると発表しています。

まあそもそも妊娠したくない人は避妊をすればいいだけですけど、性的暴行とかもありますからね。

キリスト教は堕胎を禁じている

前にも書いたように人種も宗教観も違うため、我々日本人がこの件を論じるのは難しいと思ってます。というのもキリスト教は堕胎を禁じており、胎児にも個人の権利があるとしているからです。

中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド」判決を米最高裁が覆す?保守派判事の意見書がリーク――これを日本人が論じるのは難しい

2022年5月3日

今回の最高裁の判断に対して、ローマ法王のフランシスコ教皇は現時点でまだコメントを出していません。ただ2013年に「生命は受胎の瞬間から尊重される必要がある」と述べ、人工中絶を禁止する法律の必要性を説いていました。

つまりフランシスコ教皇は、受胎した瞬間から個人として扱われるべきだ、という見解なのでしょう。

いま米国民の何%がキリスト教信者かわかりませんが、このような教えを普遍的なものとして受け入れている国民は一定数いると思われ、彼らにすれば簡単に堕胎することなど神を冒涜する行為だと思っているかもしれないのです。

発表後、米株式市場は高騰

実際、最高裁がロー判決を覆した直後、米国市場の株価は高騰しています。

24日に最高裁が発表したことによりダウ・ジョーンズは急騰し、800ポイント以上も高騰しました。S&P500とナスダックも3%ほど高騰しています。

つまりこの最高裁の判断を「良い材料」と見る投資家が多いということでしょう。(他の要因もあるかもしれませんが)

このことからも、日本と米国とでは受け取り方が違う気がします。

バイデン「悲しい日だ」

もちろん左派は反発しています。

バイデン大統領は「米最高裁判所は、米国民から憲法上の権利を明確に剥奪したのだ。裁判所にとっても国にとっても悲しい日だ」とコメントしました。

「これは悲しい日である。ロー対ウェイド裁判を覆す事は、不当であり容認できない後退だ。そして特に最も不利とされる女性の人生にリスクを与えるものだ。」
-ビル・ゲイツ

「米最高裁がロー対ウェイド裁判を覆す判断をしたことで、中絶に対する政府の保護が終了し、人権が損なわれ、再生へのケアが大幅に損なわれることになった。我々は、これに反発している権利支援団体に投資をしている。」
-ジョージ・ソロス

州に委ねただけですけどね。反発したいだけかな。

個人的には左派の中絶支援やLGBTQ+支援には、共通の目的があると思ってますが。

米国の分断は進んだ

この問題を含め米国がどうなるかはこれからかもしれません。

私は2016年頃から、2020年大統領選挙以降は米国は変革になると書いてきました。なぜならホロスコープの暗示があるからです。なのでこの件もその一端でしょう。

今回のことでたぶん分断がより一層進んだと思います。テキサス州共和党は先ごろ、2023年に米国から独立するかを決める州民投票を推進するとしました。ブレグジットをもじって「TEXIT」と呼ばれています。

米国の分断は日本に影響ないでしょうか。

米国の分断が進んだ場合、日本を守ってくれますか?

もし近い将来日本にロシアやC国が攻め込んだとして、分断した米国は日本を守るだけの余裕があるでしょうか?経済制裁した日本に対して、ロシアは報復すると言ってませんでしたっけ?

・・・なので米国の状態を知るのは必要なことだと思います。

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2023年4月1日
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